元経済ヤクザが読み解く、新冷戦時代の「米朝関係」驚きの終着点

なにが起こるか分からない時代に…
猫組長 プロフィール

共同宣言の「裏の読み方」

さて、前置きが長くなった。この米中新冷戦の流れの中で、米朝首脳会談が実現したと私は考えている。評論家・渡邉哲也氏との対談『2019年裏と表で読み解く日本経済』でも明らかにしているが、その根拠となるのが、共同宣言における、次の4項目の合意だ。

1.米国と北朝鮮は、両国民が平和と繁栄を切望していることに応じ、新たな米朝関係を確立すると約束する
2.米国と北朝鮮は、朝鮮半島において持続的で安定した平和体制を築くため共に努力する
3. 2018年4月27日の「板門店宣言」を再確認し、北朝鮮は朝鮮半島における完全非核化に向けて努力すると約束する
4.米国と北朝鮮は(朝鮮戦争の米国人)捕虜や行方不明兵士の遺体の収容を約束する。これには身元特定済みの遺体の即時帰国も含まれる

この共同宣言の「裏社会の読み方」について、ロジカルな解説を試みたい。

金王朝は、これまでも瀬戸際外交を繰り広げて、アメリカから物資などの「旨み」を吸い取っては煙に巻いてきた歴史がある。拉致問題を抱える日本人からすれば、不信感を抱くのは当然だろう。そこで考えなければならないのは、「2」の存在だ。

「持続的で安定した平和体制を築くため共に」という文言は、広い意味での体制変革を行うことをにおわせるが、金正恩氏納得のうえでこの文言が出てきたことには、注意が必要だ。

 

「持続的で安定した平和体制」という名のもとに、アメリカが現実的に考えているのが「日本型統治モデル」である。

終戦後、アメリカは、戦前の統治者である天皇を象徴にして、議会制を頂点にした新たな民主主義を導入。米軍が安全保障を担保することで、日本の同盟国化に成功した。ロジカルに考えれば、「2」の意味するところは金正恩氏の象徴化だろう。

知人のアメリカ大手金融機関のアナリストも概ね同様の見解だ。平和的に、緩やかに、アメリカは北朝鮮を日本に近い形で統治することを考えているのだろう。