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# 消費税 # 日銀

消費増税を支持した黒田日銀総裁が見せた「ウラの顔」

インフレ目標達成に「大障害」の可能性

思想と現実は違う

「消費税が10%に引き上げられても、経済への影響は大きくない」

10月14日の討論会でこう述べたのは、日銀の黒田東彦総裁だ。翌日の15日、安倍首相は2019年10月に消費税率を予定通り引き上げると明言した。

アベノミクスの舵を握り、'23年まで任期が残る黒田総裁にとっても、増税は重大な問題だ。国民は先の発言をどのように受け止めればいいのか。

 

じつは黒田総裁は、以前にも同様の発言をしている。'14年4月、消費税率を5%から8%へ引き上げる際にも、「増税の影響は軽微」だと言った。ところが、同年6月くらいから消費はやや落ち込んだ。

その後同年10月に追加緩和を行ったが、結果として増税による日本経済のダメージは回避できなかった。「影響は軽微」発言はウソということになる。

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黒田総裁も財務省OBであり、「増税思想」が色濃く残る人物のひとりだ。こうした考えを持つのは、経済学者・リカードの思想に固執しているケースが多い。リカード思想では、消費者および経済政策は増税も予測して行動するので問題ない、という増税論者に都合のいい論法を含んでいる節がある。

このリカード思想と同じ論法でいえば、減税しても景気には影響ないといえる。そう聞けば、国民は当然、減税を選択するだろう。もっとも、まともな経済学者なら、リカード思想は現実とは異なっていると説明する。というのも、この思想は現実からかけ離れているからだ。

現実は、増税すれば景気が悪くなり、減税すれば景気がよくなる。となれば、消費増税はデフレ脱却のみならず、日銀が目標とするインフレ目標の達成における大きな障害になる。

今回の黒田総裁の発言は、消費増税に対する「支持」とみてとれるが、それはある意味で日銀自身の首を絞める行為でもあるのだ。

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