森保ジャパンの快進撃を可能にする、2つの「やりません!」

この男のマネジメントが意味するもの
二宮 寿朗

9月のコスタリカ戦翌日には、こんなことがあった。

A代表の合宿とU-21代表で参加したアジア大会中にケガをした選手がいたため、所属するクラブにわざわざ出向いて「お詫び行脚」をしたのだ。

電話一本で片づけるのではなく、また、協会の技術委員会に任せるのではなく、自ら説明に出向く代表監督など聞いたことがない。あくまで“クラブの協力の上に代表は成り立っている”というスタンスが彼を動かしたのだと言える。

クラブと代表は協調関係にある。だが代表側が「上から目線」になってしまうと、クラブ側は「協力したい」より「協力しなければならない」という義務感が強くなってしまう。森保の行動は、両者の関係を消極的関係から積極的関係に変えていく可能性を膨らませている。

〔PHOTO〕gettyimages

求む「代表監督任せ、やりません!」

これら森保流のマネジメントが意味するものは何か。

自分がやりたいことをやらせるのではなく、みんながうまくいくにはどうすればいいのかを考えているマネジメントだと感じる。実に繊細な配慮が見え隠れする。

 

東京五輪とA代表の両立は、相当ハードであることは間違いない。この繊細なマネジメントを成功させていくには、何より日本協会のサポートやフォローが大切になる。

森保の年俸は推定1億5000万円ほどと報じられており、外国人監督に比べると安い。浮いたそのお金でメディカルスタッフや分析スタッフを充実させるなど森保が望むものをしっかりと手当していくべきだ。

代表監督任せ、やりません!

日本協会は監督に“おんぶに抱っこ”ではなく、全身全霊で彼を支えてほしいものである。