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# 米国株

調整中の米国株は「下落局面入り」か?それともリバウンドはあるか

「ダウ3万ドル」は無いと思っていたが

米国株下落の理由

10月以降、米国株式市場は調整局面に入っている。この株価の下落は米国だけではなく、9月までは他国に比べ好パフォーマンスだった日本株にも波及している。多くの市場関係者が、ちょうど昨年10月からの上げ相場を想定していたが、そう甘くはなかった。

筆者は9月26日から株価の上げが理解不能な領域に入ってきたからロング(買い)ポジションは一旦閉じるべきではないかとFB(フェイスブック)などで親しい人には言っていたのでこの下げには驚いていない。

さらにいえば、私の信頼する「曲がり屋(その意味はインターネットで検索していただきたい)」が相次いで超強気見通しを出してきたり、昨年までは「リーマンショックレベルの世界恐慌がやってくる」というタイトルの本を書いていた評論家が今年は一転して、「ダウは3万ドル、日経平均は3万円をつける」というようなタイトルの本を出版していたこともあり、そのような強気相場は来ないだろうと考えていた。

 

ところで、この米国株価の下落の理由については、後付けで色々なことが語られるのだろうが、筆者はそもそも米国経済の「ファンダメンタルズ」に比べて、株価の上昇ピッチが早すぎた可能性があったと考えている。

例えば、2013年のノーベル経済学賞受賞者であるイェール大学教授のロバート・シラー氏(ITバブルやサブプライム危機をいち早く予想し警鐘を鳴らしたことで知られる)が推定・発表している「循環要因調整後のPER(株価収益率)」は10月4日時点で31.46倍となっている(図表1)。これは、リーマンショック前を大きく上回り、ITバブル期に次ぐ歴史的な高水準である。

ただし、PERは、現時点でどの程度の水準が「適正」であるかを測る基準があいまいである(むしろ、「存在しない」と言ったほうがよいかもしれない)。一般的には平均値との乖離幅で判断することが多いようだが、単純な平均値が「適正値」である根拠は何もない。

また、株式の益利回り(PERの逆数)と長期金利の差である「イールドスプレッド」で、債券投資のリターンと株式投資のリターンの乖離から株式投資の割高感を測る方法もあるが、PER同様、イールドスプレッドの適正値をなんらかのマクロ経済モデルで説明することも困難である。

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