田原総一朗が覗いた「なんとも奥深き高齢者婚活の世界」

高齢者の性を巡る旅⑤
田原 総一朗 プロフィール

トラブルもある

――ところで、婚活パーティやバスツアーで結ばれて、それ以後トラブルが起きることはありますか。

「あります。性的なことでのトラブルはけっこうあります」

――そういうときは、立花さんのところへ、女性が訴えてくるのですか。

「私は、お話を聞いても、たいした役には立てないのですが。ようするに、男性のスキンシップが早すぎちゃって、女性が引いてしまうわけですね。女性は更年期も終わって生理もないという方が多い。男性と一緒にホッとしたいとか、安心したいのですよ」

 

――女性の中には、婚活パーティに参加しても、セックスはなくていいという人がけっこういるのですか。

「実はそうです。それに女性は、受け入れるにしても、受け入れに時間がかかるのですよ」

――なるほど、男性は我慢しないで、強引に求めてしまうわけだ。

「女性は、心の奥底ではパートナーを求めていても、男性という存在を受け入れてなれるまでに時間がかかる、ということを、男性には理解してほしいのです。このギャップが大きく、それが決定的なトラブルの要因になるのですよ」

――なるほど。僕自身、男性としてそういう危険性を持っていることは実感しています。

私は、認めざるを得なかった。

――ところで、立花さんのブライダルゼルムのように、婚活パーティなどをサポートしている会社はどれくらいあるのですか。

「たくさんあります。毎月400社できて、400社潰れている、などと言われている業界なのですよ」

――凄まじい業界ですね。そんな中で、なぜ立花さんのところはうまくいっているのですか。

「シニアに特化していったからだと思います。現在では、若い人で結婚する人が少なくなっている一方で、50代や60代で結婚する人がかなり増えているのです。それに、いろいろ情報を集めやすくなったという環境の中で、中高年でお金も時間もあったりする人が多くなって、積極的に楽しむ機会をつくりたいという流れの一つが婚活ではないでしょうか」

立花氏はまったく気負いのない口調で言った。気負いや自負を表に出さず、謙虚で誠実であることに徹する。これが立花氏が成功し続ける秘訣だと、私は捉えている。

――最後にお聞きしたいのですが、婚活パーティなど、これまで何人くらい参加されていますか。

「25年間やっていますからね」

――となると、数万人?

「そんな感じですね」

――その中には外国の人もいますか。

「最近は、中国の女性がけっこういらっしゃいますね」

――中国の女性は、日本人の男性との結婚を望んでいるのですかね。

「そういう方がけっこういらっしゃると思います」

――なぜ、日本人の男性との結婚を求めるのでしょう? そして中国の女性が婚活パーティに参加する比率はどのくらいですか。

「日本での生活の安定を求めていらっしゃるのでしょうね。比率は、1回のパーティに1人参加さるかどうかです」

――こういう仕事をやっていて、よかったと思うことは?

「大勢の方に感謝していただいて、『元気で二人仲良くやっている』という手紙や写真が少なからず送られてきます。そんなときに、本当にやっていてよかった、と強く感じます」

立花氏は、実績25年とは思えない素直な口調で言った。そんな立花氏をあらためて強く認識し、握手を求めた。

(撮影・小川光)