しかも、この高濃度乳房は、日本人などのアジア人に多く、その割合は40歳以上でも4割とも6割以上ともいわれている。ところが、この高濃度乳房の認知は日本ではまだまだ低いうえ、検診結果に乳腺濃度の情報を記載してくれる自治体はほんのわずか。ほとんどは「異常なし」との通知のみが届き、自分がマンモグラフィでは乳がんを見つけにくい、高濃度乳房であったことも知らされない。ということは検診後、自分でしこりや異変を感じても、“検診で「異常なし」だったから……”と病院へ検査に行く機会を逸してしまう可能性もあるのだ。

マンモグラフィは画像診断時に、乳腺濃度を脂肪性から高濃度まで4段階に分類する。このうち「不均一高濃度」と「高濃度」が、高濃度乳房のカテゴリーに入る。乳腺の濃度は体質なので、健康上の問題は全くないが、自分の乳房がマンモグラフィ検診でしこりを発見しやすいかそうでないか、タイプかを知っておくことはとても大切だと思っている。

右から、乳腺濃度が高い順に画像を並べたものだ。(極めて)高濃度→不均一高濃度→乳腺散在→脂肪性の4段階に分類する。画像提供:亀田京橋クリニック放射線科医 町田洋一医師、NPO法人乳がん画像診断ネットワーク

ただ多くの場合、要精密検査とならない限り、自分の画像を見る機会は少ないのが現状。そこでマンモグラフィ検診時に、自分の乳腺濃度を知りたいと伝えるか、知ることが難しい場合はお金はかかるが、一度、自費でマンモグラフィ検診を受け、結果時に自分の乳腺濃度を説明してもらうといい。

そしてもし高濃度乳房と分かったら医師と相談し、検診時に乳房エコーを追加するか、マンモグラフィとエコーを交互に受けることを考えてもいい。

でもだからといって、高濃度乳房はマンモグラフィ検診が無意味ということではない。加齢とともに乳腺濃度が変わることもあるし、微細石灰化を形成する乳がんを見つけるのが得意なのがマンモグラフィだ。私自身も高濃度乳房だが、微細石灰化が広範囲に広がっていて、マンモグラフィ検診で乳がんを見つけている。このタイプはしこりにならずに広がるため、自己触診では分からずエコーでも見えにくい。

『要精密検査』こそ、必ず受けるべき

また、これは乳がんだけの話ではないが、がん検診をうけて要精密検査と通知が来ても、3~4割の人は、怖くて検査を受けない人がいるという、嘘のような数字も指摘されている。私も乳がんを経験しているので気持ちは分からなくないが、がんがあるなら早く見つけて早く治療へ進むために検診を受けているのに、これでは本末転倒だ。がん検診は、要精密検査となった場合、その先の検査を受けることも含まれていることを忘れてはいけない。

そもそも、マンモグラフィ検診で要精密検査となる確率をご存知だろうか? 1000人が検診を受けると、要精密検査となるが80人強。その中で実際にがんだった人は3~5人。要精密検査になっても多くの人は悪性(がん)ではないのだ。

もし精密検査を受けてがんと判明したら、早く治療へ進む。異常なしでも定期的に検診を受ける。あるあるなのは、一度検診を受けて「異常なし」という結果に安心し、そのまま忘れて5年以上も検診を受けない人が少なくないこと。検診は定期的に受けてこそ意味がある。誕生日や母の日など、自分の節目に検診を予約するのがおすすめだ。また、マンモグラフィ検診は前回と画像を比較するためにも、同じ施設で受けることを強くお勧めする。