# 中国経済

衝撃! キャッシュレス大国・中国の「知られざる闇」

QRコードを使った窃盗事件が続出中
姫田 小夏 プロフィール

人民銀行が「安全性が比較的低い」と認めた…

中国はキャッシュレス社会に向けて取り組みを加速させている。貨幣の発行を減らせば流通コストも減らせるわけだし、経済活動の透明度を高め、脱税やマネーロンダリングをなくすためにも、キャッシュレス化は有効だ。

だが、人民銀行ですら「安全性が比較的低い」と認めるのがQRコードだ。それでも中国がこれを推し進めるのは、「キャッシュレスといえば中国」というように、中国は「QRコード方式のキャッシュレス」で世界のトップに立ちたいからだ。

〔photo〕gettyimages

ちなみに筆者はキャッシュレス化には決して反対はしていない。だが、セキュリティに不安が残るQRコード決済よりも、クレジットカードやプリペイドカードをそのままスマホに搭載するアップルペイやアンドロイドペイのほうがずっと安心じゃないかと思う。

また、中国のQRコード決済は利用規約がしょっちゅう変わる。なにぶん“一大実験の真っただ中”だから朝令暮改もやむなしだろうが、不安定なことこの上ない。しかも、市場は二大企業(アリペイとウィーチャットペイ)が寡占、利用者が翻弄されることはありはしないかと心配になる。

 

さて、貴州省には、「13日間のキャッシュレス生活」に挑戦した市民がいるという。果たして「完全キャッシュレス」に成功したかというと、惜しくもこの市民は「2元5角」を現金払いしていた。日本円にしてわずか40円程度だが、スマホ決済を拒否された店があったということだ。たとえ小額であろうとも、やっぱり現金は必要だったということだ。

いや、ここは素直に讃えよう。貴州省といえばつい最近まで中国を代表する“貧困省”で、日本のODA援助の対象だったが、その貴州省でも「時代はスマホ決済」なのだ。日本人は従来の“現金信仰”から目を覚ます必要がある。

それでも、筆者はしつこく尋ねたい。

電池切れしたらどうするの、フリーズしたらどうするの、水没したらどうするの――
「現金なんていらない」はやっぱり見栄でしょう、と。

富士山麓の「忍野八海」、富士山を訪れる中国人が必ず立ち寄る観光スポットだが、池の底でキラキラ輝くのは水没したスマホ群だ。「買い物はこれから!」の矢先の水没事件。それでも中国の人々は「現金なんて持たない!」と言い切れるのだろうか。