全706議員調査で見えてきた「将来、総理になれる意外な人物」

「上に従順な者」が勝つとは限らない
週刊現代 プロフィール

総裁選では、小渕は青木らの意を汲み、衆院ながら石破に投票した。一方、竹下派では他に2人の名前が挙がる。

まず、経済再生担当大臣の茂木敏充(8点・13位)だ。前出の萩生田に比べれば重量級ではあるものの、「人間力」の面で大きく評判を下げている。

「派内では尊大な態度が目立つし、党職員でも官僚でも、彼を嫌っている人は多い。一方で総理には従順だから、安倍さんも『愛い奴』として可愛がり、『次の総理は茂木か岸田だな』なんて言っている」(竹下派議員)

茂木は竹下亘の後任会長の座を狙う。だが、「竹下さんも青木さんも、『本籍細田派』とまで言われる茂木さんを派内に残すのは危険とみる。小渕が育つまで竹下亘会長で粘り、その後、茂木を追い出すだろう」(同)

 

意外なダークホース

茂木と同じく、竹下派ながら安倍と非常に近いのが加藤勝信だ。11点(6位)を獲得した。

「総理と菅官房長官の信頼が篤く、青木幹雄との橋渡しまで務める。能吏の実務家だし、茂木のように派閥を乗っ取る野心がないため、青木にも安心な相手。安倍総理からの禅譲を受け、ワンポイント・リリーフで総理に就任する可能性は十分にある」(西川氏)

党内第2派閥・麻生派が抱える大型候補は、河野太郎だ。今回も、堂々18点(3位)を獲得した。

「麻生派では最有力です。菅さんも『同期で総理になるとしたら河野だ』と高く評価する。一番優れているのは自分なりのアイデアを持っていて、しかも突破力がある点です。ただし、人間関係での気配りが足りない」(政治解説者・篠原文也氏)

最近も、外遊に同行する記者団に対し「英語もできない」とブログで書いて反発を買うなど、不満をすぐに表に出す性格がマイナス面だが、名門好きの麻生は、河野の血筋を買っているという。

無派閥に目を転じると、意外なダークホースが、城内実だ。外務副大臣などを歴任してきた。

「外交官上がりで頭は良いし、政策能力も高いので、将来の総理の芽がある一人には入る。かつて清和会所属でありながら郵政民営化に反対した点など、筋を通すところがある」(野上氏)

若手議員の評判も高く、9点(12位)を得た。

無派閥といえば、1位(23点)をほぼ満票で獲得したのが、言うまでもなく小泉進次郎である。

「よほどのことがなければ、必ず総理になる」(政治ジャーナリスト・鈴木哲夫氏)存在だが、総裁選では土壇場で石破支持を表明した点には、多くの識者が疑問符をつけた。

「4期目になるんだから、自分の発言の影響力の大きさは自覚すべきだったと思う。私は以前から彼のことは、天才子役だと言っている。大人の立派な俳優に成長できるかは未知数だ」(伊藤氏)とはいえ、政策・行動・人間ともに圧倒的な力を持っているのは事実だ。

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