# 欧州経済 # 中国経済 # ドイツ経済

ドイツの経済不調が「欧州経済危機」を招くかもしれない

原因は中国経済の先行き不透明

欧州経済の先行き不透明感が高まっている。その要因は複数ある。

ドイツではメルケル首相の求心力が低下している。ユーロ圏の中でも不良債権比率の高いイタリアでは、財政悪化懸念が高まっている。フランスでもマクロン大統領が支持率の低下に直面している。英国とEUがブレグジット交渉で合意できるかも不透明だ。

この中で最も重要と考えられるのが、ドイツの政治動向だ。賛否両論あるものの、メルケル政権はEUの多様な利害を調整する上で重要なリーダーシップを発揮してきた。ただ、移民・難民政策への批判が増え、メルケル政権のレームダック(政治指導力の失墜)懸念が高まっている。それは、欧州各国の政治・経済動向に無視できない影響を与えるだろう。

 

難民政策を重視するメルケル政権

2005年からドイツの首相を務めるメルケル女史の求心力が低下している。その原因は、2015年にメルケル首相が進めた難民受け入れだ。ドイツはわが国同様に人口の減少に直面している。ドイツ経済の成長のためには、海外から労働者などを受け入れていくことが欠かせない。人道的な意味合いも重なりメルケル首相は中東からの難民受け入れを重視した。

目論見に反して、メルケル首相は有権者の反感を買った。難民が増えたことによる治安の悪化をはじめ、社会心理が悪化したことは軽視できない。ドイツの有権者は、難民・移民よりもドイツ人の利害を守るよう、政治家に求め始めた。不満を取り込んで、極右政党のAfD(ドイツのための選択肢)などが台頭している。

メルケル首相は「時計の針を戻したい」と難民政策の失敗を認めたが、与党内からも批判されている。2018年7月には、キリスト教社会同盟(CSU)党首でありメルケル政権で内務大臣を務めるホルスト・ゼーフォーファー氏が移民・難民管理が甘すぎるとして辞任を示唆した。CSU・CDUの統一会派体制にはほころびが生じ始めている。

9月には首相の右腕であり下院トップを務めてきたフォルカー・カウダー議員が院内総務選挙で敗北した。さらに悪いことに、10月14日のバイエルン州議会選挙ではCSUが第1党の座は確保したものの、単独過半数を維持できなかった。戦後、CSUはほぼ一貫してバイエルン州で単独政権を維持してきただけに、メルケル政権への打撃は計り知れない。

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