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日本メディアが大騒ぎの「為替条項」ホントはどれぐらいヤバいのか

正念場は、やはり貿易交渉だ

米財務長官発言で市場も新聞も大騒ぎだが…

インドネシアのバリ島ヌサドゥアで開催された20ヵ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議後の10月13日、スティーブン・ムニューシン米財務長官が一部記者団に語った「日本にも通貨安を封じる為替条項を求める」発言が大騒ぎを引き起こした――。

[写真]ムニューシン米財務長官の発言に日本メディアは騒然となった(Photo by GettyImages)ムニューシン米財務長官の発言に日本メディアは騒然となった(Photo by GettyImages)

9月26日の日米首脳会談後に発表された「日米共同声明」の第3項目にある<日米両国は、所要の国内調整を経た後に、日米物品貿易協定(TAG)について、また、他の重要な分野(サービスを含む)で早期に結果を生じ得るものについても、交渉を開始する>を念頭に置いて、ムニューシン氏は「これからの貿易交渉では、どの国とも為替問題を協議していく。日本を例外にすることはない」と発言した。

要は、米国が9月末にメキシコ、カナダと妥結した新・北米自由貿易協定(NAFTA)と呼ぶべき「米国・メキシコ・カナダ協定」(USMCA)に盛り込まれた為替条項が日本にも適用されるのではないかという懸念から、週明けの15日の東京株式市場は全面安となり、日経平均株価は前週比423円安の2万2271円で引けたのである。8月21日以来の安値となった。

 

ムニューシン発言を受けた新聞各紙は以下のように、大々的に報じている。「日本経済新聞」(10月14日付朝刊):「『日本も例外ではない』米財務長官、為替条項に言及」、「産経新聞」(同):「米、日本にも為替条項―円安阻止、通商交渉で要求へ」、共同通信(同):「米、日本に為替条項要求―財務長官表明、円安誘導阻止狙う」。

この「為替条項」とは、共同通信記事を採録すると「貿易相手国の意図的な通貨安誘導を防ぐ仕組みで、米国が通商交渉で主張してきた。通貨安につながる金融緩和策を控えるように圧力を強めたり、輸入品に報復関税をかけるなどの対抗策を取ったりすること狙う」ものである。

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