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離婚調停で夫のモラハラを「彼は運動部気質なのね」と一蹴された妻

前時代的で権威的な調停委員の実態

離婚調停、したことありますか?

当時、離婚調停中だった私は夫と別居していた。

話し合いの結果、夫は会社の近くの彼の実家に引っ越し、私は仕事と育児を両立させるために子供たちと(結婚してから買った)マンションに残った。しかし調停はじめて4ヵ月もしないうち、夫から「すぐ売りに出したいからマンションから引っ越して」と言われてしまう。

さすがに、それはあんまりだと思った私は事情をよく知る“ある人”に相談した。ところがその“ある人”は、

「いつまでも甘えてないでマンションはすぐ出ていかないとダメよ。離婚ってそういうものなのよ?」

と言うではないか。

さて、この“ある人”が誰なのか。

経験者にしか信じてもらえないかもしれない。

“ある人”とは、まさかまさかの家庭裁判所の調停委員である。

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貯金全額を相手が持っていること。子供はあと3ヵ月で卒園だから今の保育園に通わせてあげたいこと。婚姻費用からマンションのローン全額が引かれていること。

それらの事情を全て知っているにもかかわらず、裁判所の看板を背負った調停委員に、共有財産のマンションから「出て行かないとダメ」と言われたことにショックを受けた私は、調停後に卒倒し(のちに急性ストレス障害と診断)、その日、保育園のお迎えに行けなくなった。

保育園というのは、事前登録してある人にのみ子供を引き渡すシステムだ。まだ考えが甘かった私は、夫を2番目に登録したままだった。

家庭裁判所と保育園が同じエリアにあったこともあり、薄れゆく意識の中で必死に夫にお迎えを頼んだ。定刻に私が迎えに行かず電話にも出ないので、保育園からも夫に電話がいく。ところが彼は迎えを拒否。

そこで3番目に登録してあった私の母に電話が行き、母が大慌てで子供達のお迎えに行ってくれたので、閉園後ずいぶん経ってしまったが子供たちはなんとか帰ってくることができた。

 

あまりの理不尽さにショックで倒れても、なお!

すると次の調停はさらに理不尽になる。お迎えに行けなかった理由と経緯を(夫に断られたことも含めて)説明し、急性ストレス障害の診断書を出したにもかかわらず、この日保育園に迎えに行けなかったことを執拗に責められたのだ。

「お迎えを放棄するなんて、親権者にふさわしくないんじゃないの? それで親権を取れると思う? ご主人に渡すことも考えたらどう」

夫が親権を主張していたわけでもなく、夫が子供を迎えに行ったくれたわけでもないのに。意味がわからない。

まだある。

話は全て遮られたし、調停委員の言うことは毎回変わり、求められて書類を作って提出すれば「これじゃない」とやり直しさせられた。思い切って「理不尽だ」と抗議をすれば「私の何が気に入らないの!」話をすり替えられ感情的に怒られる。録音するなと執拗に釘を刺され、メモを取っても信じてもらえない。

毎回泣かされ、精神安定剤が手放せなくなった。調停後半の記憶はあまりない。

朦朧としたままとりあえず終えた調停だったので、数年後、精神的にも少し回復してきたところで、各条件について再度調停をやり直すことにした。前回の教訓を踏まえ、今度は弁護士を頼んだ。

するとまた、調停委員の様子がおかしい。前回とは別の人なのに、前回同様こちらの言い分はスルーしてくる。挙句「養育費をもらったら毎回ちゃんとお礼をいわないと」などと言ってくるので話しが進まない。

今回は「あれ?」と思う心の余裕があった。以前、カウンセラーに調停の話をしたとき、彼女が珍しく苦々しい顔で「調停でいい思いをした人に会ったことがない」と言っていたことを思い出した。

「もしかして私だけじゃないのかもしれない」

そこで、離婚調停について取材をすることにした。