日本株「黄金の割安銘柄」を見つけるただひとつの方法

「長期バリュー」の大化け候補たち
大川 智宏 プロフィール

足元の予想利益は信憑性の低さから手を出しにくいとしても、さらにその先を見据えている超長期の巨大な投資家が存在するのであれば、今期の予想ではなく数年先の利益予想に対して割安な株を買えばいい。

また、一般に長期の利益予想はアナリストが保有するモデルの計算式に変数を当てはめるだけの場合が多いが、あえて期先に強い増益を見込むということは、その銘柄の特別な事情が考慮されている可能性もある。

これについて、まずは単純に直近の会計期(以下、「今期」)と3期先の利益予想を用いたPER投資効果を比較してみたい。

出所 :Datastream

意外にも、両者間でそれほど大きな効果の差は見られない。わずかに期先のPERの方が上、といった程度だ。

しかし、この今期と3期先のPER効果の比較には欠陥がある。両者間で、銘柄が重複しやすいことだ。

 

割安の罠、ただの割高、長期バリュー…どう見抜く?

今期で割安と判断された銘柄で、定率成長モデルに変数を入れれば自動的にPERの分母であるEPSのみが増大するため、分子である株価が同一であれば3期先もPERが割安に分類される。

前述の前提をもとに考えれば、今期の予想PERが割安であることは、短期的なリスクの織り込みからバリュートラップである可能性が否定できない。つまり、不確実性と安定成長という、リスク特性が異なる要因が混在してしまうため、両者間の重複部分を除外する必要がある。

これについてのコンセプトと、各銘柄分類の詳細を以下に解説したい。

出所 : 智剣・Oskarグループ

① 今期のみ割安:バリュートラップ

今期のEPSの水準と比較して何らかの悪材料で強く売られている。3期先の利益予想は減益を見込む。強いネガティブ。

② 今期のみ割高:グロース

今期のEPSの水準と比較して何らかの好材料で強く買われている。足元のリスクや将来の不確実性が少なく、3期先がやや増益の銘柄。ポジティブ。

③ 3期先のみ割安:長期バリュー

今期のEPSの水準と比較して何らかの好材料でやや買われている。足元のリスクや将来の不確実性が少なく、3期先が強い増益の銘柄。強いポジティブ。

④ 3期先のみ割高:ただの割高

今期のEPSの水準と比較して何らかの悪材料でやや売られている。3期先の利益予想は減益を見込む。ネガティブ。

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