アラサー女子、不調を感じて「断食サナトリウム」に駆け込む

とある高原での6日間の記録
瀬戸 基 プロフィール

腹が減って精神が赤ちゃん並みに

マッサージに満足し、ロビーでくつろぐ。ノンカフェインのドリンクが6種類ほど売られているので、「ハニーバニラティー」なるものを購入した。

めちゃんこ甘そうな名前だが、脳が困惑しそうなほど、甘味はまったくない。バニラの砂糖抜き。かつて羽生善治さんが名人戦の昼食で「天ざるそばの天ぷら抜き」を注文したという伝説があるが、まさに禅問答の世界である。

これと「ルイボスティー」を5日間2Lくらい飲み続けた。丸の内OLも卒倒するほどの、意識高い感じがする。

 

だが、相変わらず腹は減っている。「5食抜くくらいで、舐めたこと言うんじゃねぇ!」と断食ガチ勢の方には怒られそうだが許してほしい。

ちなみに持論だが、断食すると胃腸が「赤ちゃん状態」になると説明されたが、精神も赤ちゃん並になると思う。

最後のほうはこんな感じで過ごしていました photo by iStock

ただただ、ボーっとしていたい。施設ではDVDの貸し出しも行われていて、『24 -TWENTY FOUR』が全シーズン揃っていた。だが、断食中の精神では、こんな秒刻みで進む怒濤の展開は、ついて行けないだろう。

そんな私がチョイスしたのは、『けいおん!』。そう、日常系に限る。Amazonプライムに登録していて良かった。ただ、唯ちゃんたちが卒業間近になると、精神がツラくなってきたので、途中で断念。あとはひたすらスパイダーソリティアをして、無為に過ごした。

こんな日々を6日間繰り返した。平成のサナトリウム暮らし、伝わっただろうか。普段、仕事に忙殺されている分、まさに自分と対話できるのが新鮮だった。

時計を見て「まだこんなに時間がある」なんて思うのは、学生時代の講義以来。美味しい空気とサンサンの日光、有り余る時間……。私に欠けていたのはコレだったのか。

ちなみに「断食明けのお粥はこの世で一番の御馳走!」みたいな感想をよく目にするが、私の場合は「チキンラーメン食べたい……」。俗世のしがらみから完全に逃れられる日はまだ遠い。