アラサー女子、不調を感じて「断食サナトリウム」に駆け込む

とある高原での6日間の記録
瀬戸 基 プロフィール

目覚めは「練功十八法」と共に

夕方からは、断食についての簡単な講義を受けた。1日3食の生活を送っていると、消化に使うエネルギーが体に負荷をかけているそうだ。

断食をして胃腸を休めることで、体が元気になるとのこと。断食中は酵母ジュースを一日に500ml飲む。あとはノンカフェインの水分を1.5~2Lくらい飲むように言われた。

「大切なのは回復食です。断食をすると、胃腸が赤ちゃんと同じような状態になります。

断食が明けても、急に食べ物は入れず、玄米の三分粥から食べ始めて、徐々に通常食に戻していきましょう」

とはいえ、運動したからお腹が空いている。朝から何も食べていないのだ。脳と胃が、私の心配をしてくれている。

酵素ドリンクを受け取って居室に戻る。6畳半くらいの部屋で、畳の上にシングルベッドが置かれている。トイレと洗面が付いているのがありがたい。

しかしまあ、お腹が減った。酵素ドリンクを飲んでみる。美味しいが、腹は満たされない。前日がほぼ徹夜だったので、「ええいもう寝てしまえ」と、この日はベッドに入った。

「ザン、ザンザカザン! ザン、ザンザカザン!」

朝8時。『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ』で流れていそうな音楽に起こされる。

寝ている間に異空間に飛んだのかと思ったが、これは毎朝のルーティン「練功十八法」の音楽らしい。中国では「中国ラジオ体操」「太極拳」と並ぶ中国三大国民体操とのこと。

ザン、ザンザカザン! ザン、ザンザカザン! photo by iStock

施設利用者がロビーに集まってDVDを観ながら体操を行うようだ。だが、今日は15分後にはリフレッシュルームに行かねばならないので、前向きに欠席。今日はリフレッシュケアの後に、マッサージを予約しているので楽しみだ。

背中が水玉アートになった

施術室に入ると、マッサージ師さん(50代くらいの女性)が出迎えてくれた。

「特に不調を感じるところはありますか?」
「首と肩と背中がコリにコっていまして……」

うつぶせになり、揉んでもらうと、「ガチガチですね!」と驚かれる。肩コリ持ちの人には分かってもらえると思うが、マッサージ師さんにコリを驚かれると少し嬉しくなる。

「ああ~、これはツラいでしょうねぇ……。よかったら、カッピングをやってみませんか」

カッピング? 初めて耳にする言葉だ。マッサージ師さんが、いそいそと説明ボードを取り出す。

「吸い玉療法とも呼ばれていて、皮膚にカップをあてて、真空状態にして吸着させます。血管が広がり、汚れた血液や二酸化炭素を排出してくれるんですよ」

 

なるほど。だが、ボードにある写真に目が奪われてそれどころではない。

「この写真はいったい?」
「カップをつけた場所は内出血状態になるので、背中に丸い痕が付いてしまうんですよ。大丈夫、個人差はありますが、何日かしたら消えます」

これ、「カッピング 痕」などで画像検索すると分かってもらえると思うが、相当グロい(※閲覧注意)。おしゃれな水玉アートを3億倍グロくした感じ。これを背中に負うなんて、荷が重すぎるのでは。

「大丈夫、背中なんて自分で見ませんから」

確かにそのとおりかも。背中を見せる予定も、悲しいことにない。というわけで初カッピングをしてみることにした。

マッサージ師さんが、血の巡りが悪そうなところにカップをあててくれる。カップの中の空気を抜き、15分くらい付けっぱなしにするのだが、この締め付け具合がめちゃくちゃ気持ち良かった。性癖になりそうなレベル。ゆるめる瞬間も良い。きっとα波もドバドバ出ていることだろう。