アラサー女子、不調を感じて「断食サナトリウム」に駆け込む

とある高原での6日間の記録
瀬戸 基 プロフィール

震度6くらいで揺さぶられる

「だいぶゆるみましたね!」

どこがどうゆるんだのか、素人の私には分からないが、おねえさんは嬉しそうだ。ゆっくりと体を起こされる。

「次は体幹を刺激してみましょう。骨盤の位置など、体のゆがみを元に戻します」

おねえさんに言われるがまま、次の機械に案内される。「体幹リセット」とは、いわばヘルスケア業界の流行語大賞。早く私のゆがみもリセットしてほしい。

「この動き、苦手だったら言ってくださいね」

 

おねえさんが3回くらい念押しするのが気にはなったが、まあ、大丈夫だろう。

そんなこんなで目の前に現れたのは、再び青緑の台。「スライムBがあらわれた!」的な既視感が襲う。……いや、待て、よく見ろ……。

「!?」

なんと、台の上に綱渡りの綱のような綱が張られているではないか。促されるままに握ってみる。……間違いない、綱渡りの綱のような綱だ!

再び青緑台に寝そべり、足を持ち上げて、綱で作った輪っかに通す。両手は頭上の綱を握る。台の上でナマケモノのポーズを取っているイメージ。自分で書いていても、よく分からない。

こんな感じ photo by gettyimages

「では、スイッチを入れます。苦手だったら言ってくださいね」
おねえさんが更に念を押す。一瞬の間、そして――

「!?」

何が起こったのか、マジで把握できなかったが、青緑の寝台が凄まじい勢いで横揺れしている。たとえるなら、地震を疑似体験できるあれ。今は私の寝そべる台だけが揺れている。震度6くらいで。

手と足は固定されているので、体だけが右へ左へとスライドする。綱を持つ手を放したらどうなるのか想像力を働かせる余裕もなく、とにかくすがりつく。

(なんだこれは……。たまげたなあ。健康になるって、一筋縄じゃいかないな。綱だけに)

どのくらいスライドされていたのか、よく覚えていない。10分くらいだろうか。なんだかいろいろ消耗した気がするが、これで体幹と骨盤まわりが整ったはずだ。私の次に利用したおじさんも、「オッホゥゥ」みたいな奇声をあげていたので、同情せざるを得ない。

それから2台くらいをアスレチックして、リフレッシュルームを後にした。

「おつかれさまでした。明日は朝8時15分に来てくださいね」
とおねえさん。

これ、毎日あるんだ。