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現役医師545人に聞いた「医者が必ず受ける検査はコレ」

この検査は必要?不必要?医師の意見

胸部X線よりCT

医師本人は果たしてどんな検査を受けているのか――。そんな疑問を持ったことはないだろうか。

今回、本誌は全国の545人の現役医師に、がん検査についてのアンケートを実施した。対象は20代前半~60代後半の男女、勤務先は国立病院、民間病院、個人クリニックまで様々だ。

18種類のがん検査の中から、医師本人が受けている、または医学的に見て受ける価値があると思う検査を複数回答可で答えてもらった。それをまとめたものが、本記事末の表だ。

「割合」は、545人のうち、何%の医師が必要な検査だと考えているかを示している。たとえば、胃の内視鏡は、85.9%(468人)の医師が実際に受けている(または、受ける価値がある)と回答したということになる。それでは、順番に見ていこう。

 

1位の胃の内視鏡、2位の大腸内視鏡(71.6%)と、ともに内視鏡検査は、大多数の医師が受けている。金沢大学医学部の小川和宏准教授が話す。

「そもそも、一般にがん検査は、疾患を検出する感度が高く見逃さないこと、疾患でないのに誤って陽性としてしまう率が低いことが重要です。もちろん検査で後遺障害が出たり、ひどい場合は亡くなったりするといったリスクが低いことも必要です。

加えて、疾患発見や生命予後延長(特定の検査を受けない人たちの平均より検査を受けた人たちの平均のほうが長生きできること)の効果が高いことや、時間や身体、費用の負担が少ないことも望ましい。

1位、2位になっている胃と大腸の内視鏡検査は、これらの条件をほぼ満たしています。カメラで直接臓器の内部を見られて、検体も採取できるので、発見率が高く、誤診も少ない。比較的短時間で受けることができる点も評価できる」

3位は、約55%の医師が挙げたPET検査。ブドウ糖と放射性物質を結びつけた検査薬を注入し、それが体内でどう分布していくかを「PETカメラ」で撮影する検査法だ。

『日本一まっとうながん検診の受け方、使い方』の著者である、近藤慎太郎医師が話す。

「PET検査が高く支持されているのは、少し意外です。これだけ受けていれば大丈夫というタイプの検査ではありません。

ただ、悪性リンパ腫、甲状腺がんなどの頭頸部のがんなど、PET検査が非常に有効だと言われているがんはある。なので、家族の病歴などによって、それらのリスクが高い人が時々受けるというのはいいと思います」

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X線を使って身体の断面を撮影する「コンピューター断層撮影」こと、CT検査。そして、超音波を発する装置を身体に当て、音波の跳ね返ってきた反応を画像にする超音波検査。これらも5割前後の医師が受けている。

「最近、腎臓がん、膀胱がんの患者数が増加傾向にあるのですが、それに有効なのが、超音波検査です。

膀胱がんは尿検査で血尿と診断されて見つかることもありますが、その時点では、がんがかなり大きくなっている可能性がある。しかし、超音波検査ならば、膀胱がんも腎臓がんも、小さいうちに発見することができるのです。

私も3年ほど前に胸部のCT検査を人間ドックで受けました。健康診断で皆が受ける胸部のX線検査では大きな変化しかわからないので、早期発見にはやはりCT検査が有効です。

ただ、超音波検査と違って、被曝リスクがありますので、毎年受ける必要はないでしょう」(獨協医科大学埼玉医療センター泌尿器科准教授の井手久満医師)