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理系学生・研究者の悩みを全て解決!すごい「マッチングサービス」

良いポスト、奨学金と出会える仕組み
博士号を取得しても低所得の任期付きポストでは生活もままならない、研究費減少により資金獲得のために研究時間が圧迫される……。このように、日本の理系学生や研究者を取り巻く状況は厳しく、科学力の地盤沈下は避けられない。彼らの明るい未来を作るための一つの鍵は、様々な「マッチングの課題解決」だった。
理系学生と企業をマッチングさせる『LabBase』などを展開する、株式会社POL代表取締役CEOの加茂倫明氏が、自ら解説する。

任期付きポスト、低所得、奨学金返済…

iPS細胞や青色発光ダイオードなどをはじめ、数多くの発見・発明を生み、人類社会全体の進歩に大いに貢献してきた日本の研究者。一見華々しくも見えますが、実は多くの研究者の個人としての所得や職の安定性は、大変厳しい状況となっています。

現在、博士号を取得する人は毎年1万5000人以上いますが、卒業生のうち約30パーセントはポスドクと呼ばれる任期付きのポストに就いており、任期終了後の雇用は担保されていない状態です。給料も低水準で、30代でも年収300万円台が多いそうです。

健康保険など福利厚生面が整備されていないことも多いのが現状。任期のない終身雇用のポスト(テニュア)につければ生涯年収は平均的な一般サラリーマンと同等かそれ以上になりますが、実際にポストにつけるのは毎年10%以下。非常に狭き門なのです。

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加えて、博士課程修了者のうち3分の1以上が返済義務のある奨学金や借入金があり、博士課程学生の42%が課程修了時に300万円以上の借入金を抱えるなど、卒業後もそれらの返済に首を絞め続けられるケースも多くあります。実際に過去5年で延べ1万5千人以上が奨学金を返済できずに自己破産しています。

研究だけではなかなか食べていけず、かといって日中は研究で忙しいため、「朝から晩まで研究して、夜間にコンビニでバイトをしている」なんて人もいます。

科学や技術の未来を担っている若手研究者がこうした苦しい生活を送っていることに、強い問題意識を抱えています。

 

研究費減少がもたらす悪循環

厳しいのは研究者個人の懐だけではありません。研究資金についても、一律支給される公的研究費が減少している影響もあり、厳しい状況となっています。

他国を見ると、例えば中国では重要な研究を「国家重点実験室」に認定し年間約800万から1000万元(日本円で1.2億〜1.6億円)の安定的な支援を行ったり、さらにその上位概念として「大規模国家実験室」の建設方針を打ち出すなど、世界各国が研究費を増額している傾向にあります。しかし日本では、国立大学の運営費交付金が徐々に削減されているのが現状です。

それに伴って、大学から研究室に支給される研究費も減少傾向にあります。そのため、〝競争的資金〟という審査制で配分される研究費や共同研究で企業からもらう研究費に頼る必要が高まってきています。研究者は資金を得るために自ら研究計画書やプレゼン資料を作成し、その研究のメリットを訴えなければならなくなったのです。

研究時間を割いてまで資金獲得のための資料を作成することは、研究者にとって、大きな負担となっています。実際に、大学等教員の職務時間のうち研究時間の占める比率は、2002年から2013年で46.5%から35%に低下しています。

それでもまだ、資金が得られればよいほうです。時間をかけて研究計画書を書いても7〜8割は不採択になります。研究時間は少なくなり、資金を得られず、研究員を雇えないためさらに時間を割きづらくなるという悪循環に陥ってしまうケースは少なくありません。