松本人志はもう「時事問題」を語るのをやめたほうがいい

彼はいったい何がしたいのか…?
原田 隆之 プロフィール

酷い発言でまた炎上…

発言の一部だけを切り取ってはいけないので、その前後を見てみると、一連の発言は次のようなものだ。

正直言って、理由なんて自殺、ひとつじゃないと思うんですよ。いろんな複合的なことが重なって、許容範囲を超えちゃって、それこそ水がコップからあふれ出ていっちゃうんだと思うんです。これが原因だからってないんです。ないから多分、遺書もないんです。

これは突き止めるのが不可能で、もちろん、ぼくは事務所が悪くないとも言えないですし、言うこともできないんですけど、われわれ、こういう番組でこういう自殺者が出てこういうニュースを扱うときになかなか亡くなった人を責めづらい、責めれないよね。でも、そうなんやけど、ついついかばってしまいがちなんだけど、ぼくはやっぱり死んだら負けやっていうことをもっとみんなが言わないと、死んだらみんながかばってくれるっていうこの風潮がすごく嫌なんです。

切り取ろうが切り取るまいが、やはり酷い発言であることは変わらない。ただ、全部が酷い発言とは言えず、同意できる部分もある。

自殺の理由を単純化してわかったようなつもりになるのは、たしかに間違いのもとである。

また、一連の発言の最後には「死んだら負けということをもっと教えていかなければならない」と、凡庸ではあるが、常識的なことも言っている。

しかし、基調に流れているのは、「責めづらい」「庇いたくない」というトーンであり、亡くなった少女への畏敬の念はそこにはない。

いったい何をそんなに責めたいのか。

 

彼ほど影響力のある人が…

なぜ松本人志は炎上し、それを何度も繰り返すのだろうか。

まずは、先にも述べたように、権力には擦り寄る一方で、弱者ばかりを上から目線で叩くことへの嫌悪感である。そこには思い上がりはあるが、思いやりは微塵も感じられない。

お笑いの世界で頂点を極め、誰も彼に意見を言ったり反対したりできなくなったいま、裸の王様になってしまったかのようである。

そして、居酒屋での戯言程度の低レベルの発言を臆面もなく、全国放送のテレビで言ってのける。彼ほどの影響力のある人が、テレビで発言するならば、それには当然の責任が伴うことを自覚すべきである。

しかし、彼は無自覚に何の下調べも勉強もせずに、無知の害を垂れ流す。批判をされても、裸の王様の耳には入らない。テレビ局も視聴率が取れればよいという態度で、どれだけ炎上しても放置している。