あなたが旅して一番満足できるイタリアの街はここだ!

性格によって変わります
田島 麻美

気の向くまま、南イタリアへ


ナポリを筆頭に、アルベロベッロがあるプーリア、エキゾチックな文化が残るシチリアなど、日本人に人気の高い観光地が集まっているのが南イタリアだ。

イタリアには「カンパニリズモ」という言葉があるが、これは「自分の街のカンパニーレ(教会の鐘楼)が最も美しい」という意味で、要するに偏狂的な郷土愛のことである。南イタリアへ行くと、このカンパニリズモを実感する機会が非常に多い。

 

ナポリへ行けば、ほぼ100%のナポリ人が「ナポリほど素晴らしい街は世界のどこにもない」と言うだろう。そういう場面に出くわしたら、異を唱えることは厳禁である。「なるほど」と真顔で相槌を打つに限る。そうすれば、思いもよらなかった幸運が待っているかもしれない。

陽気であけっぴろげな印象がある南イタリア人だが、実はとても用心深い。大昔から他国の侵略を受けて来たという歴史があるうえ、ここ数年はシチリアに連日押し寄せる難民によって住民の暮らしにもさまざまな問題が起こっている。よそ者に慎重にならざるを得ない土地柄なのである。

南イタリアの新鮮な魚介類に舌鼓を打とう

とはいえ、基本的に人情に厚く愛情深い南イタリアの人々は、一度気に入ると、それが例え一期一会の旅行者であろうとも家族同然に愛情を注いでくれる。出会う人次第で旅の内容も大きく変わってくるので、「人との触れ合いを楽しみたい」という人に向いている。

私もかつてシチリア島でキャンプをした時、キャンプ場の主人に気に入られて夕飯に招かれ、手料理をたらふくご馳走になったことがある。よく言えば親切、悪く言えばお節介な人との出会いはどんなところにも転がっている。

「思いもよらなかった幸運」に出会えるかどうかは、あなたの運と態度で決まる。

南イタリアでは、常に礼儀正しく、紳士淑女のように振る舞うことを忘れてはならない。そして出会った人と土地にリスペクトをすること。そうすれば幸運が降ってくる確率はぐんと高くなる。

商業や貿易で経済が潤っている北イタリアに比べると、農業・漁業が中心の南イタリアは経済的には豊かとはいえない。貧富の差は広がる一方で、観光のインフラもあちこちに綻びが見える。世界遺産の遺跡なども資金不足、人手不足、マフィアの介入などにより修復や維持が難しくなっているのが現状だ。

それでもバカンスの季節ともなれば、イタリア人はこぞって南イタリアの海を目指す。なぜなら、そこにたどり着きさえすれば、青く透明な海と輝く太陽、愛情深く親切な人々と最高の料理が待っていることを知っているから。

1週間、足の向くまま、気の向くままにうろうろしたい」というプランで不安にならない人なら、きっと南イタリアの旅を満喫できるだろう。

移動や滞在先に多少の不自由があったとしても、一生忘れられないような素晴らしい風景とマンマの絶品料理は保証されているのだから。

(文・写真/田島麻美)

『おとなの青春旅行』にて田島氏は、ローマから、シエナ、ヴェネツィアに至るイタリア旅の黄金ルートを紹介しています!
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