ナポリ近郊スペルロンガのビーチ

あなたが旅して一番満足できるイタリアの街はここだ!

性格によって変わります

世界遺産が最も多いだけでなく、ファッション、料理、音楽、サッカーなど、老若男女の興味をそそるものが盛りだくさんのイタリアは、相変わらず日本人にとって人気の高い旅行先だ。

「最初はツアーで行ったけれど、2回目からは個人旅行で」という人も多く、リピーターのほぼ全員が「イタリアは旅するごとに深みにはまっていく」と口にする。個人旅行で街を歩くと、急ぎ足で回るツアーでは知ることができなかった街の素顔に出会える。

最初は「パスタ、ピッツァ、世界遺産、ちょい悪オヤジ」というステレオタイプのイメージしか抱いていなかった人も、個人旅行の街歩きでイタリア各地の異なる街の魅力やそこに生きる人々と触れ合うたびに、イタリアという国のバラエティの豊かさと奥深さに「ハマって」いく。

あなたの性格に適した、イタリアで旅するべき街を、『おとなの青春旅行』(講談社現代新書)の著者でイタリア在住のライター・田島麻美氏がこっそり教えてくれた。

 

ミラノは東京、ナポリは福岡

イタリア人の間では、「俺はローマ人」「私はミラノ人」という自己紹介をするのが当たり前で、彼らは「イタリア人」というアイデンティティーよりも自分の出身地のそれを重視する。

イタリアが「国」として一つにまとまったのはたかだか150年ちょっと前のことで、それ以前はローマ、フィレンツェ、ミラノなどの街は別々の国だった事を思えば、それも当然なのかもしれない。

よく、「ミラノは東京、フィレンツェは京都、ローマは大阪、ナポリは福岡」とたとえられるが、実際にはイタリアの街ごとの特徴はもっと細分化されていて、人の気質はより複雑かつ個性が際立っている。

にもかかわらず、イタリア旅行を計画する人の大半はこの街ごとの特性を考慮しないことが多く、「ミラノでは予定通りに行ったのに、どうしてローマとナポリではやりたいことの半分もできなかったのだろう」と首をかしげることになる。

北イタリアと南イタリアは別の国、という話はご存知の方も多いと思う。これは経済に限った話ではなく、人の気質も自然環境も歴史も文化も、何もかもが違うと思った方がいい。

几帳面な人がローマから南へ行くとストレスが溜まり、人懐っこいイタリア人との触れ合いを求めてミラノへ行くと肩透かしを食らう。

地方ごとに異なる人と街の特性を知っておけば、もっと満足度の高いイタリア旅行を実現することができるだろう。

綿密なプランを実現したい人は、北イタリア

ミラノやトリノ、ヴェネツィア、ボローニャなどの都市がある北イタリアは、元来、古代ローマ人ではなくケルト民族の地であった。

地理的にはアルプスを挟んでスイス、オーストリア、フランスに近く、古くから国際的な商業や貿易も盛んで、この特性は現在まで受け継がれている。

北のイタリア人はおしゃれで勤勉、どちらかといえば内向的で個人の自由を重視する傾向が強いのが特徴だ。よく、南イタリアの人達が「北の人間はよそよそしくて冷たい」と言っているのを耳にするが、これはあくまで南イタリアの鬱陶しいくらい濃密な人間関係を基準にした話である。

自分の時間をフルに使いたいツーリストにとっては、むしろ必要なことだけを的確にサポートしてくれるほうがありがたいかもしれない。

私自身、仕事や一人旅で行くなら断然北イタリアを好む。アポイントは予定通りに守られるしドタキャンされることもまずない。

先日、2年ぶりにトリノ、ボローニャに行ったが、一人で気軽に長居ができるWiFiフリーのカフェテリアやビストロが街中に急増していて驚いた。美味しい食事を楽しみながらネットサーフィンもできてとても嬉しかった。

ドイツ風の街並みが残るボルツァーノ

北イタリアは都市部に限らず、モンブランやマッターホルンといったアルプスの山々、コモ湖に代表される湖水地方など、自然を愛する人にとっても魅力的である。

私は毎年アルプスの山奥で夏を過ごしているが、どんなに小さな村でも施設や道路は清掃が行き届いている。バスはほぼ時刻表通りに運行し、インフォメーションも充実していて快適なバカンスを楽しんでいる。