利回り10%頭金ゼロ…? マンション投資「うまい話」の嘘を見抜け

借金地獄に陥らないために
荻原 博子 プロフィール

まだある「3つのリスク」

この時点で、利回りは3.4%ほどに下がります。3.4%なら、銀行預金よりもいいと思う方もいるかもしれませんが、ここには、まだ、そのほかに予想される3つのリスクが織り込まれていません。

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1つ目は、空室のリスク。賃貸は2年契約ですが、基本的には入居者が出て行ってから、新しい入居者の募集をかけます。ですから、2年に1度、2ヶ月の空室が出ると仮定して、これを月々の収入から差し引くと月約7000円。

2つ目は、予期せぬ修繕のリスク。トイレが詰まったり、エアコンが壊れたり古くなって買い換えたり、風呂の追い焚きができなくなったりと様々なトラブルに対処する費用は大家持ち。水回りの工事などは1回30万円くらいかかります。こうした費用を年間10万円とすると、月約8000円。

3つ目は、マンション老朽化のリスク。古いマンションは、そのぶん家賃が下がっていきます。最初は8万3000円の家賃でも、築20年、築30年となるうちに月5万円でも借り手がないという状況になってくる可能性があります。このリスクを月1万円とすると、この3つのリスクで月約2万5000円ということになります。

 

このリスク分の月約2万5000円を家賃から差し引くと、手元に残るのは2万5000円。4万5000円のローンを返済しながら、確実に手にできるのは2万5000円程度ということですから、ローンの返済額が4万5000円だとローンが終わるまで30年間、月約2万円ずつ自腹を切り続けるということになります。

しかも、この3つのリスクを織り込んだ利回りは、1.7%程度ということになります。

「1000万円のマンションで、年間100万円の家賃収入。利回りなんと10%。頭金がゼロ円」は、机上の計算ではそうなるかもしれませんが、実際にマンション経営をした場合には、そうならないことはわかっていただけたでしょうか。

では、広告の中段の「サラリーマンでも節税になり実質年収のアップに繋がる」は、どうなのでしょうか。

これも、嘘とは言い切れません。なぜなら、買った投資用マンションが赤字計上されれば、そのぶんを給料から天引きされている所得税が安くなるからです。つまり、所得税が戻るので、結果的に手取りが増えるということになります。ただし、その金額は、人によって違います。