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利回り10%頭金ゼロ…? マンション投資「うまい話」の嘘を見抜け

借金地獄に陥らないために
「あなたのお金が狙われている!」。そう警告するのは、テレビでおなじみの経済ジャーナリストで、著書『投資なんか、おやめなさい』などでも知られる荻原博子氏だ。とくに警鐘を鳴らすのは、最近、会社員の間にも広がっているマンション投資ブーム。安易に不動産会社の「うまい話」に乗ると、老後に負債を抱え込むことにもなるという。マンション投資の「真実と嘘」について、荻原氏に教えてもらった。

儲かるどころかマイナスに?

「1000万円のマンションで、年間100万円の家賃収入。利回りなんと10%。頭金がゼロ円。サラリーマンでも節税になり実質年収のアップに繋がる。老後も年金代わりになる高利回りのマンション投資」

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こんな広告を見たら、あなたはどう感じますか。手持ちのお金が一銭もなくても、マンションが持てて、それが今の給料の手取りを上げてくれるだけでなく、将来年金代わりになるとしたら、こんなうまい話はないと思うかもしれません。

この広告の困ったところは、100%嘘ではないところ。しかも、こうした広告につられてマンション投資をしようかと考える人のほとんどは、不動産には素人とも言える人たちです。そうした人たちにとっては、仮に全て嘘でも、その嘘さえなかなか見抜けないのに、少しの真実が混じっていたら、見極めはさらに難しいでしょう。

そこで、この広告の「真実と嘘」を読み解いてみましょう。

まずこの広告の「1000万円のマンションで、年間100万円の家賃収入。利回りなんと10%。頭金がゼロ円」について見てみましょう。

1000万円のお金を投資して、年間100万円が手に入れば、確かに利回りは10%。誰が電卓を叩いても、10%になります。そして、年間100万円の家賃収入ということは、月々の家賃は8万3000円ほど。都心なら1DKでこれくらいの物件はあります。

 

ただ、ここで見落としてはいけないのが、「頭金ゼロ円」。つまり、1000万円は手持ちのお金ではなく、借入金ということです。当然ながら借入金には利息がつきます。

投資用マンションのローンを借りる場合には、通常の住宅ローンよりも金利が少し高めで2~5%。仮に1000万円を3.5%、30年返済で借りると、総返済額は約1620万円、月々の返済額は約4万5000円になります。

そうすると、家賃が月8万3000円で年間約100万円の収入が得られたとしても、全額をローンで借りると、1000万円ではなく1620万円なので、利回りは10%ではなく、約6.2%ということになります。

さらに、マンションを買う時には物件価格の他に様々な費用がかかります。不動産取得税、登録免許税、司法書士の手数料や販売手数料、消費税などで約80万円。クリーニング、リフォーム、エアコンや電子レンジなども付いていないと借り手がないので、こうした費用を50万円とすると130万円かかります。

これで、投資するお金はトータルで1750万円ということで、利回りは約5.7%に下がります。

いっぽう、月の家賃は約8万3000円ですが、ここから大家として支払わなくてはならないものがあります。マンションの管理費と修繕積立金で月約2万円。家賃の徴収などは、通常は不動産業者が管理代行するので、この代金が家賃の5~7%程度。

さらに、固定資産税、都市計画税、団体信用生命保険料、火災保険料などを払うと、家賃収入は月8万3000円から5万円程度に下がります。