至れり尽くせりのモテ指南…これが「地方婚活移住ツアー」のリアルだ

連載「婚難の時代」第3回
共同通信 生活報道部取材班 プロフィール

女性が帰途に就いた後、マスターはカップルになった男性たちだけを集めた。「この先が大切。早く会う約束を取り付けて」「新幹線が東京に着くまでに返信をすること。ただし、1回目のLINEはお礼中心で重くならないように」と手取り足取りアドバイスした。

マスターの元には、イベント終了後も、参加者からの相談が寄せられる。「このメールにはどういう風に返信したらいいか」と文面の添削を依頼されれば、まるで学校の先生のように「相手と同じくらいの文字量、絵文字の数で返信をすること」とアドバイス。恋愛に不慣れな20~40代をサポートする。

 

ただ、相談してくる段階で、すでに「なんですぐ返信をくれないの」などと相手の気持ちを無視したメールを何通も送ったり、自分の日常を綴った『俺日記』や写真を一方的に送ったりしているケースも。マスターは「そういうレベルの相談だと手遅れ」と言い切る。

ツアー終了後、「婚活マスター」高橋そうすけさん(奥)の恋愛指南に耳を傾ける男性参加者=2017年3月20日、新潟県小千谷市 ©️共同通信社

新潟県は2016年度、内閣府の交付金を活用してこの事業に約500万円を計上した(※筆者注:17年度以降は県の助成で数回実施)。ただ、結婚は「ご縁頼み」の部分が大きく、評価が難しい面もある。県の担当者は「結婚は私的な選択で、タイミングもそれぞれ。どこまでフォローするべきか悩ましい」と打ち明ける。

これまでのツアーを通して成婚したカップルで県が把握しているのは1組。あの婚活ツアーの最後のフリータイムで、マスターに促されるように2人きりで散歩をしたのがきっかけで、お互いの気持ちが固まったという。

遠距離恋愛を乗り越え、3カ月後にはプロポーズ、今年の7月には子どもが生まれ、新潟県内で幸せな家庭を築いている。

(※年齢は連載当時のもの)