「新入社員が出社できないので病院に行ってもらったら〈適応障害〉という診断書をもらってきた」とか、「奥さんを亡くした老人がふさぎ込んでしまったため家族が病院に連れて行ったら〈適応障害〉といわれた」などといった話をしばしば耳にします。
でも、いったい〈適応障害〉ってなんでしょう? 病気? 精神疾患? 〈うつ病〉とは違うの?
今回は、精神科医の貝谷久宣医師監修の『新版 適応障害のことがよくわかる本』から、適応障害とはどういう"病気"なのかを見てみましょう!
突然ですが、〈適応障害〉をどれくらいご存知か、チェック・テストに挑戦していただきたいと思います。1〜6の説明が正しいかどうか、○、×で答えてみてください。
〈適応障害〉という言葉を最近よく耳にする方も多いと思いますが、意外に知られていないようです。上記の設問も、頭をひねった方が多かったのではないでしょうか。では、設問に答える形で、順にご説明していきましょう。
まずは、〈適応障害〉とは何か、という問題です。〈適応障害〉とはストレスに対応できずに日常生活に支障をきたすもので、米国の精神医学会で定義されている"病気"です。
就職、進学、結婚・離婚などの環境変化に対応できず苦痛を感じ、健康な生活ができない、という意味から"病気"の範疇に入ります。かつての〈心因反応〉ともいえるもので、病気と健康の境目にある"状態"ととらえられています。
したがって、
となります。