優秀な中国人留学生が、日本の「医学部」に大挙してやってくる日

その時は、突然やってくるかも
原田 広幸 プロフィール

うかうかしていられない

多くの中国人が、日本の医学部の“おいしさ”に気づくまでには数年もかからないだろう。すでに何兆円規模のAI投資を行っている中国の人民が、一斉に日本の医療に注目し始めたら、なにが起こるだろうか?

私は、ここ数回にわたり、日本の医学部入試の現状について記事を書いてきた。そこで説明したような、日本の医学部人気に、中国の優秀な人材が加わってくるとしたら、軒並み上位の成績を取る中国人の医学部受験生に、日本の医学部は大きく門戸を開かざるを得なくなってくるだろう。

医学部への中国人の受け入れは、日本政府の意向にもかなっている。国を挙げて進められるインバウンド医療ツーリズムに対応するには、中国語のわかる医師が絶対に必要だ。また、中国への医療の「輸出」を進めるにあたっても、日本の医療機関でトレーニングを積んだ中国人医師の養成が必須となるはずである。

 

中国人医師が日本の医師免許を後から取ることもできる。しかし中国人医師が日本で医療に従事するためには、中国の医学部(5年制)を卒業しても、日本で研修を受けたうえ、予備試験と医師国家試験の両方をパスしなければならない。だから、中国人が日本で医師になるなら、日本の大学(医学部)を受ける方が合理的だ。

これから医学部を目指す受験生やその親にとっては、ライバルは日本人だけではなくなる可能性がある。

中国人エリートは、幼少期から我々には想像もつかないような英才教育を施されている。決断力がある。意思決定も速い。

もし、今後の医療の趨勢を、「日本と中国」という視点で多くの中国人が考えるようになったら、そして、その情報が中国に広く共有されたら、いまの 東大や早稲田に優秀な中国人が入学してきているのと同じか、それ以上の人数が日本の医学部に押し寄せることになるかもしれない。

「不正入試事件」が解決したあとの日本でも、医学部受験生は、うかうかしていられない状況は続くだろう。中国人の秀才は、世界でも一流だ。彼らが押し寄せてくる前に、血のにじむような努力をしてでも医学部に入るのが得策かもしれない。