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優秀な中国人留学生が、日本の「医学部」に大挙してやってくる日

その時は、突然やってくるかも

近い将来、日本の医学部に中国人が…

9,419人。これが何の数字か分かるだろうか。2018年4月の全国の国公立・私立を合わせた医学部の定員数である。この医学部の定員数は2008年から漸次増加されてきたが、今後はこの定員数がほぼキープされるそうだ。

この定員数に対し、約13万人が医学部を受検している。倍率14倍、合格率7%の狭き門だ。

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人の命を預かる医師の仕事は責任が重くハードワークだと思うが、ご存知の通り収入は高く、将来に渡って安定した職業だと思われている。AIやロボティクスの発達によって仕事のやり方に変化はあるだろうが、失われる職業ではないことは確かだ。

むしろ、より高度な技術を磨いていくことになるだろう。人の役に立ち、「先生」と言われ尊敬される。若い子が“なりたい職業”として、また我が子に、“なってほしい職業”として、トップクラスの人気を誇るのは当然と思える。

この9,419人の狭き門に、我が子を通したい、医者になってもらいたい、という思いで今、この記事を読んでいる人が多いかもしれない。しかしこの9,419人の枠を、近い将来、英才教育を受けた近隣諸国の秀才たちが、狙って受験してくるかもしれない。そうなれば、ますます医学部は難関化してしまう。今回は、その可能性の話をしよう。

 

中国での医師の地位

中国では、日本や欧米と違い、医者という職業の地位は高くない。中国では医師は収入が低く、非常に多くの患者を診なければならず、きつい職業なのだという。医師と看護師の給料は一般的なサラリーマンよりも低く、最も低水準な職業の一つだ。

日本では「先生」と呼ばれる医師も、中国ではサービス業者のひとつとみなされているようだ。当然、モチベーションの低い医師も多く、全体として、医療への信頼は低い。

中国の医師の多くは我が子を医者にしたくないと考えていて、中国医師協会が2011年に行った調査によると、調査に協力した医師のうち、自分の子どもに医者になってほしくないと答えた人の割合は78%に上った。

中国では医学部は工学部など他の理系学部と比べて入りやすく、有名ではない大学の医学部では定員割れを起こしているという。

そんな中国だが、水準の低い医療のままでいいと考えているわけではない。というのも、中国では、人口も日本の10倍、国土も広く、医療の知識や技術が遅れているがゆえに、これからやってくる高齢化は、日本よりも深刻な問題だ。

ただし中国では、医師の待遇を良くして医療の質を上げるのではなく、テクノロジーによって医療の質をあげようと考えている。