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ヤギが足をひたすらペロペロ…世界で本当にあった「ゾッとする拷問」

文字通り「骨までしゃぶられる」

一見、軽い刑罰に見えるが…

草原で「メェーメェー」と鳴き、アルプスの少女と走り回っている印象が強いヤギ。詩人まど・みちお氏が作詞した童謡『やぎさんゆうびん』でも歌われているように、のんびり屋で牧歌的な雰囲気が似合う動物だが、実は拷問の道具として使われていたことをご存じだろうか。

その内容は、罪人の両足に塩水をつけて、ただただヤギに舐めさせるというもの。主に18世紀のフランスで行われており、通称は「ヤギ責め」。罪人の自白を促すために使われた。

舐められて、くすぐったいのを耐えるような軽い刑なのかと思いきや、とんでもない。実際は、げに恐ろしい拷問なのだ。その様子を説明しよう。

 

まず、罪人は足を固定する拷問用の椅子に座ると、足の裏に塩水をたっぷりと塗られる。そこにヤギが放たれて、足を舐め始める。もっとも最初のうちは、くすぐったいだけなのだが、ヤギのヤスリのようにザラついた舌に舐められつづけると、皮膚が裂け、血が流れ始めるというのだ。

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慢性的に塩分不足のヤギは、塩が含まれるものならば延々と舐める習性を持つ。塩水はもちろん、血液も例外ではない。

どんなに懇願したり、泣き叫んだりしても、ヤギは舌でペロペロと舐めつづける。足の裏の肉が削げても骨が見えても、拷問の執行人が止めるか、罪人の血が無くなるまで「ヤギ責め」は終わらないのだ。

罪人は、たまったものではないが、執行人からしたら、これほど楽な刑はないだろう。必要なのはヤギと塩水と椅子だけで、執行人によけいな手間がかかることがない。ヤギの習性を熟知しているからこそ、考えられる拷問だ。

そもそも、歴史的にヤギと人間との付き合いは長い。紀元前7000年ごろの遺跡からヤギの骨が出土しており、家畜化した動物としてはイヌに次いで古いと考えられている。

今後、どこかでヤギを見かけたら、童謡だけでなく、近世のフランスに想いを馳せるのもまた一興かもしれない。(駿)

『週刊現代』2018年10月27日号より