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1枚1億円…!? 株価暴落でも影響ナシ「コイン投資」の深い魅力

10年間で約3倍、バブルも心配無用
田中 徹郎 プロフィール

資産であり、趣味である

コインはまず、趣味の対象として長い歴史があります。例えば古代ローマ時代には、すでにコインを集めている人がいたそうです。もちろん、描かれた図柄や重量感を楽しむといった、趣味としての要素もあったと思いますが、なにぶん古代は戦乱の時代です。近隣の諸国や異民族などから攻められたときに、土地や建物とは違い、コインならば身につけて、あるいは馬車や荷車に乗せて逃げ出すことも簡単にできたはずです。

つまりコインは、資産防衛の手段としての性格と、趣味の対象としての性格を兼ね備えていたのです。このあたりが、同じ実物資産仲間である不動産とは違うところです。

 

ところで、いま私の手の中には、紀元前4世紀に古代マケドニアで作られた金貨があります。世界史の教科書にも必ず出てくる、アレキサンダー大王の統治下で造られたものです。

アレキサンダー大王は小国マケドニアに生まれ、ヨーロッパ、中東、アジアにまたがる王国を築いた偉人ですが、日本でいえばあの卑弥呼の時代から500年ほども前の人です。その時代に発行されたものが、当時とほとんど変わらない状態で自分の手の中にあることに、私は素朴に感動します。

筆者提供

コイン以外に、これほど容易に当時の遺物を手に入れる方法を私は知りません。アテネ神を描いた肖像はキズ一つなく、まるでつい最近造られたかのような美しさです。金という素材の性質もあるでしょうが、よほど大切に引き継がれてきたのでしょう。

私の手に収まるまで、いったいどのような人たちが2400年にもわたり、このコインを引き継いできたのでしょうか。そしてその人たちは、このコインと引き換えに、どんなものを手に入れ、どんな夢をかなえたのでしょうか…。