丸山ゴンザレス×ハロルド作石「ニューヨークと裏社会」を語る

意外な共通点が見えてきた
丸山 ゴンザレス プロフィール

暴れ馬が目を覚ます

丸山 お笑いコンビの「サバンナ」は、先生の初期の作品『サバンナのハイエナ』から名前をつけたと聞いたことがありますが、先生の作品には、若者の無軌道なエネルギーを後押ししてくれる力がありますよね。たくさんファンの方がいると思うんですが、俺みたいに異様に思い入れがあって、先生の作品に影響を受けた、っていうファンについてどう思います?

作石 それは本当に嬉しいですよ。ただ、僕の作品に力があったということではなく、丸山さんが元々持ってた何かが共鳴したんでしょう。ちょうど暴れ馬が目を覚ます時に読んでいたとか(笑)。

だって、みんなが辿り着けない場所に行って、その景色を見せてくれるのは、すごいことですよ。それこそ膨大なエネルギーが燃焼した結果であることは間違いない。

僕にも聞きたいことがあります。丸山さんはいろんな人に会いに行きますよね。人嫌いになることはないですか?

 

丸山 俺の仕事は、その人が抱えている物語を聞くことなので、人が嫌いだと仕事にならないということもありますね。それに、俺が嫌いでも、そいつが世の中全体からハブられていなければ、誰かには好かれているはず。だから、どんなヤツでもリスペクトできる部分はあるし、無理にでも好きだと思い込んでみると、好きになっていくんです(笑)。

そうなると自然と向こうも好意をもってくれて、好きと嫌いがひっくり返る瞬間があるんですよ。これは、無職時代に学んだんです。俺がいじけて立ち止まっていても、世の中は動いている。偏ったらいけない。だから、なるべく物事は多面的に見なくちゃいけない。

作石 丸山さんの言葉にはいい言葉が多いですが、これもすごい名言ですよ。

丸山 いや、ただ実体験を話しているだけですよ(笑)。無職時代、カンボジアに旅に出ようと新宿駅に向かっていた時、スーツ姿の人たちが群れをなして歩いていて。若い時は、群れに染まらなかった自分に優越感を感じていたけど、その時は全然違って「俺はレールから外れたんだ」と初めて疎外感を抱いたんです。

ちょうどその頃、ボロボロになるまで読んで心の支えにしていた『BECK』をきっかけに、ニューヨークに憧れたわけです。もしあの時、『7人のシェイクスピア』を読んでいたら、今回の本の舞台はロンドンになっていたかもしれませんが(笑)。

作石 そう言ってくださると嬉しいですね。僕自身は、ロンドンへは旅行や取材で何度かといった感じで、グラストンベリー・フェスティバルやサッカーを見ていい街だなあと思っているくらいなんですが、ロンドンにもディープな場所があるんですか? 丸山さんがこれからロンドンに行く予定は?

丸山 イギリスでは、宝探しをしたいと思っています。あの国は歴史が長く、国土も狭いので、あちこちにいろんなものが埋まっているんですよ。

作石 お宝があるんですか?

丸山 コインとかロザリオとか金属ものが多いんですが、金属探知機をかけるとザクザク出てくるそうです。じゃあ、第二弾は、『7人のシェイクスピア』にちなんでロンドンを目指します!

作石 それは素晴らしいですね(笑)。もしも丸山さんがシェイクスピアにまつわるなにかを見つけてくれたら、こんなドラマチックなことはないですよ。次はぜひロンドンをテーマに、対談をしましょう(笑)。