# 飲食店 # 定額課金制 # サブスクリプション

飲食店が潰れない世界をつくる!favyの「サブスク」モデルの真価

お店もお客様も満足が続くすごい仕組み
マネー現代編集部 プロフィール

Makuakeのプロジェクトでは、会員1人ひとりに対応した「食のプロフィール」をベースに、「あなた専用のコース」を作るという。

「食のプロフィール」とは、会員に事前に取るアンケートから得る、客の好みやプライベートな予定・事情などが網羅されたデータベースを指す。開店後は、会員が来店した際の細かなデータも蓄積され、より精巧な個人プロフィールが構築される予定だ。

「限りなくお客様の希望に添える仕組みになっているので、初めてのお客様でもまるで常連のお客様にするように、私たちは料理や接客などのサービスを提供することができます。これは料理人としても幸せですが、一歩踏み込んだサービスを受けられるという意味で、お客様にとっても『初めから常連』のメリットは大きいのではないでしょうか」

favyが手掛ける飲食店では、「ずっと満席にすること」ではなく、「ずっと会員が満足しつづけること」が目的である。目的が明確なので、「会員との密なコミュニケーションを通して、コストパフォーマンスの非常に高い料理を提供する」というように、LTV(Life Time Value:顧客生涯価値)を向上させる具体的施策にブレることなく注力できる。

また、ファンになった会員が知り合いに声がけをしてくれたり、「会員費を払っているから元を取らなければ」と来店する動機付けも明確にあるため、サブスクリプションは集客面でのメリットも大きいようだ。

 

「会員制+データドリブン」で長くヒットさせる

自前でデータドリブン(効果測定などで得たデータを分析、意思決定などに役立てること)できる。サブスクリプションモデルを導入する他社とfavyが大きく違うのは、ここではないだろうか。

同社は、運営する全店で顧客データをとることを重視しているというが、ここまでは他社でもきっとやれる。問題は、蓄積したデータをどのように活かすかだ。データを分析し、マーケティングに活かすべく外注するならば、経営に余裕がない飲食店にとってはコストがかさんで負担が大きい。しかし、favyはもともとがマーケティング会社。データドリブンは朝飯前である。

例えば「29ON」は、肉と日本酒のペアリングがウリの店だが、リピーターが多くコアなファンが付いている。そのため注文データを詳しく分析し、顧客に飽きられることなく足繫く通い続けてもらうべく、メニュー開発やイベントの企画・集客などマーケティングに細やかに活かしている。これがfavy最大の強みといえる。

「データの扱いに不慣れな店や会社だと、自前でデータドリブンするのはなかなか厳しいかもしれません。でもだからこそ、私たちが築いた仕組みを外に共有し、横展開していく意味もあるのではないでしょうか」

同社でマーケティングを担当する石田龍之介さんはそう話す。favyのビジョンは「飲食店が簡単に潰れない世界を創る」こと。自社で磨き上げたサブスクリプションモデルは今後、外にどんどん展開し、他店の支援に活かしていきたいという。

「マーケティング会社が飲食店をやり始めたのも、一つの実証実験を行うためです。サブスクリプションは飲食業界との相性も良いと思っているからこそ、まずは自分たちでやってみる。29ONやcoffee mafia、秋にオープンする表参道のレストランすべてが、マーケティングの実証店舗だと考えています」

と石田さん。ヒト、モノ、カネ、すべての資源において「見通しを立てられる」ことで、経営分析がしやすくなる。これがサブスクリプションモデルの最大のメリットであるが、そこにデータドリブンが加われば、飲食店経営を「見通す力」はさらに洗練されていくに違いない。

最後に、シェフの佐藤さんに新しい店への抱負を聞いた。

「飲食業界は、とにかく『長くヒットする店』を作るのが難しいんです。私自身、料理は美味しく接客も良いのにお客様が入っていない、という他店の事例を数多く見てきました。

今度オープンするレストランは、お客様ごとに料理を細やかに変える必要があるので正直大変でしょうね。不安もありますが、『皆さまを常連さんのようにもてなす』という取り組みを早くやりたい。お客様に長く愛されて、来店し続けてもらう店を作る。その挑戦に、今はとにかくワクワクしています」