写真提供:favy
# 飲食店 # サブスクリプション # 定額課金制

飲食店が潰れない世界をつくる!favyの「サブスク」モデルの真価

お店もお客様も満足が続くすごい仕組み

「Amazon Prime」や「Apple Music」と同じ仕組みの「飲食店」があるーー。こう聞いて、あなたはうまく想像できるだろうか?

その仕組みとは「サブスク(=サブスクリプション)」、いわゆる定額課金制のことだ。サブスクリプションモデルの飲食店をいくつも手がける企業「favy」に、これからオープンする新店舗の話も含め、そのモデルの大きなメリットを聞いた。

取材・文/黒川なお

潰れやすい飲食店に「潤沢なキャッシュ」を

目標金額300万円に対して、集まった金額は3182万円、達成率は驚異の1060%。しかも、プロジェクトの締切りは10月30日23時59分だから、まだ伸びしろもある。

これは、クラウドファンディングサービス「Makuake(マクアケ)」で8月3日にリリースされたプロジェクトの経過である。プロジェクト名は、「世界でひとつだけ!星付きシェフが『あなた専用のコース』をつくる会員制レストラン」。今秋11月、店名非公開で表参道にグランドオープンする予定だ。

ちなみに、この集金額は「Makuake」に掲載された飲食店プロジェクトの中でも歴代2位である(数字はすべて2018年10月17日13時40分時点)。

「Makuake」より

注目を集めるこのプロジェクトは、飲食市場に特化してマーケティング支援を行う「favy(ファビー)」が仕掛けた。ビジネスモデルは、定額課金制であるいわゆる「サブスクリプション」。事前に会員を募ることで、年会費と会員権によるキャッシュが潤沢に入るため、ヒト、モノ、カネの流れに見通しを立てることができる。

翌日配達が常に無料という特典が付いた「Amazon Prime(アマゾンプライム)」や、4500万曲が聞き放題の「Apple Music(アップルミュージック)」などが代表的なサービスとして挙げられるだろう。今やサブスクリプションモデルは、私たちの生活にすでに浸透しているといえる。

では、飲食店がサブスクリプションモデルを採用するメリットについて具体的に見ていきたい。詳しくは後述するが、一般的にポイントは以下の4点に集約されるだろう。

1.潤沢なキャッシュが先に入る(初めからキャッシュフローが安定する)
2.食材の廃棄ロスがない(食材に原価を掛けられる)
3.会員に対してきめ細やかなサービスが提供できる(LTV《Life Time Value:顧客生涯価値》が向上する)
4.会員が来店する動機が明確(集客しやすい)

まず1つ目だが、店の賃料や物件の購入、設備投資、人件費、仕入れなど、飲食店はオープン前から何かと資金がかさむ。オープン後も、日々の客足や仕入れなどに見通しを立てるのが難しいというのが定説だ。開店3年で7割の店が潰れ、経常利益も2%から4%が相場の非常に厳しい世界である。IT化も遅れており、課題は多い。

しかし、同モデルを導入することで、本来は資金が出ていく一方であるオープン前の店の経済的苦境が、一挙に解消する。最初から潤沢なキャッシュが手に入りキャッシュフローが安定するため、店の経営を軌道に乗せやすいのだ。

favyは、すでに有名な焼肉店「29ON(ニクオン)」、コーヒースタンド「coffee mafia(コーヒーマフィア)」など、「会員制」「定額課金制」飲食店の先駆けとして、自社でもいくつか店舗を運営しているが、このビジネスモデルは会員側のメリットも大きいようだ。

 

1万5000円で3万円クラスの料理を提供できるワケ

食材の廃棄ロスがない。

これは、飲食店がサブスクリプションモデルを導入するメリットとして非常に大きい。今秋オープンする表参道のレストランでは、食材の原価率を約20%も底上げすることができるという。

現場の声を聞いてみた。