CATLを創業したRobin Zeng〔photo〕gettyimages
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大ピンチ! 巨象・パナソニックを追い詰める「中国企業」の正体

車載電池が「第2のプラズマ化」の危機

少し古い話になるが、2000年台前半、シャープの液晶を軸にした経営は「オンリーワン経営」ともてはやされた。主力の工場の名前から「亀山モデル」とも称賛されたが、過剰投資から経営危機に陥り、台湾・鴻海の傘下に入り、救済された。

パナソニックはこの液晶に対抗するため、プラズマに同じく過剰投資してしまい、これがたたって、結局、大きな減損処理に追い込まれたうえ、子会社のパナソニックプラズマディスプレイは2016年、大阪地裁に特別清算を申し立てて倒産した。信用調査会社によると、負債額は約5000億円で、実は製造業としては戦後最大の倒産なのだ。

実はいま、パナソニックには「第2のプラズマ」となりかねない危機が忍び寄っている。その構図をこれから説明しよう。

〔photo〕gettyimages

創業からわずか約6年で世界のトップ電池メーカーに

17年、電気自動車(EV)などの動力源となる車載リチウムイオン電池の出荷量でパナソニックを追い抜き、一気に世界1位に躍り出た企業が中国にある。

社名は「寧徳時代新能源科技(CATL)」。福建省の寧徳市に本社を構える。11年に設立の新興企業であり、創業からわずか約6年で世界のトップ電池メーカーに躍り出た。

 

その躍進ぶりは凄まじい。14年12月期決算で売上高が8億7000万元(約145億円)、純利益が6200万元(約10億円)だったのが、17年12月期には売上高が199億元(約3323億円)、純利益が39億元(約651億円)にまで拡大。わずか3年間で売上高は23倍、純利益は63倍になっている。今年、上場も果たした。

中国政府がEV普及のために補助金を投入しており、それが成長の追い風になった。補助金が削減される局面では一時的に成長が鈍化するかもしれないが、長い目でも見てもこの企業の勢いはおそらく止まらない。

本社がある寧徳は、習近平・中国国家主席が若い頃、地区共産党書記を務めていた市であることから「CATLは『習金平銘柄企業』。政府の支援も手厚い」(日本の電池業界関係者)との見方もある。