アメリカでIT企業の株価が次々と急落した要因

市場が懐疑的になっている…?

10月に入ってから、米国の10年国債流通利回り(長期金利)が大幅かつ急速に上昇した。背景には、ISM非製造業景況感指数が予想を上回ったことなどを受けて、「想定以上に米国の景気が良い」との見方を持つ市場参加者が増えたことがある。その後の展開を見ると、長期金利が一段と高い水準で推移すると先行きを警戒する市場参加者は増えているようだ。

基本的に、金利上昇は株価にマイナスだ。特に注目したいことが、10月10日の米株価急落の中で、IT先端企業の株価が他の業種よりも大きく下落したことだ。その中でドルは主要通貨に対して軟調に推移した。長期金利上昇のマグニチュードは小さくはない。それが経済にどう影響するか、冷静に考える必要がある。

 

急速な長期金利上昇のマグニチュード

10月に入ってからの米長期金利の上昇スピードは、あまりに早かった。特に、5日に発表された9月の雇用統計にて非農業部門の雇用者数変化が予想を下回ったにもかかわらず、金利は上昇した。それは、FRBが段階的な利上げ姿勢を維持していることなどを受けて、金利上昇警戒感を強める市場参加者が増えたことを反映した動きと考える。

今回の金利上昇の特徴は、利回り曲線(短期から超長期までの金利水準をつないだ線)の急峻化(スティープ化)だ。従来、金融政策の動向を反映しやすい2年金利に比べ、長期、超長期の金利上昇圧力は抑制されてきた。

背景には、物価上昇圧力が穏やかであることや過去の景気循環を基に、米国経済がピークに近づいているとの警戒感があった。

対照的に10月初旬の金利上昇局面では、2年よりも10年金利の方がより大きく上昇した。これまでの長期金利の上昇と比べても、金利は急速かつ一本調子で上昇した。それだけ、金利の上昇に備える投資家は増えたと理解すべきだろう。長期金利上昇を受けて、これまで堅調に推移してきた米ジャンク債の価格も急落した。

この動きは米国経済の先行きを考える上で重要だ。短期金利の上昇に比べ、長期金利が急速に上昇することは個人消費や企業の資金繰りに無視できない影響を与える。1月下旬から2月初旬の金利上昇の際にもみられたように、米長期金利の上昇を受けて新興国からの資金流出が加速する可能性もある。

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