ファミマ・ドンキ連合が「アマゾン最大の弱点」を狙い撃ちする可能性

巨大な店舗網の活用法、それは…
松岡 真宏 プロフィール

リアル店舗が生きる道

歴史的に見ても、商品・サービスの「セルフ化」は、産業を発展させる原動力となってきた。

通信業界で言えば、電話からメールへの変化は、コミュニケーションにおけるセルフ化だ。メールが登場して、相手の都合を気にせず、受け取りも発信も、自分の都合の良い時にできるようになった。

舞台芸術も同様である。以前は、アーチストのパフォーマンスを鑑賞したければ公演を見に行く必要があったが、今では、出張の帰りの新幹線の中で映像や音楽を楽しむことができる。

 

これらの分野では、サービスが「セルフ化」されたことで、産業構造の大変化が起こり、我々消費者が受ける便益が飛躍的に増大した。「セルフ化」は、時間効率を飛躍的に高めるため、その商品やサービスの値段を下げる働きをもつ。値段が下がると、取引量も増加する。

例えば塾業界やフィットネス業界など。商品やサービスの送り手(産業側の人)と受け手(消費者)とのマッチングがポイントとなる業界では特に、この「セルフ化」が産業全体に与えるインパクトは大きい。

宅配の受け取りも、「セルフ化」でまだまだ効率化が可能な行為だ。「宅配ドライバーと消費者が、同じ時間に同じ場所にいなければならない」という仕組みは、もはや現代にはなじまないビジネスモデルとなっている。

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日本の流通業に残された、広大な非効率地帯である「商品の受け取り」。ここを効率化できるプレイヤーは、将来大きな果実を得ることが約束されている。

アマゾンなどEコマースのプレイヤーは、消費者とのタッチポイントを持っていない。ファミリーマートの圧倒的な量的タッチポイント、ユニー・ドンキの空間的広がりのあるタッチポイント。今回のUFHDとドンキHDの連携には、Eコマース全盛の時代に、リアル店舗が生きる道を垣間見ることができる。