『スカッとジャパン』ネタを生む「無料すぎるサービス」やめませんか

見えるサービスも見えないものも
雨宮 紫苑 プロフィール

サービス泥棒では?

でもそれって、目に見えないことをいいことに、サービスを泥棒しようとしているようなものじゃないだろうか。いや、客が自ら求めているあたり、サービス強盗とでもいおうか。

突き付けるのは、「俺は客だ! サービスをしなければ悪評をネットに書くぞ!」という言葉の武器である。

サービスの売買でわかりやすいのが、LCCだ。座席が狭い、荷物預けの有料化など物理的サービスの削減はもちろん、CAによる心配りサービスもかなり省略している。LCCが売るのはあくまで『移動手段』のみ。

「高水準のサービスを受けたいならJALやANAといった航空会社を使えばいい」という、いわば棲み分けである。

それと同じで、コンビニは「便利(コンビニエンス)」を売っている場所だ。だから多くの店が24時間、365日開いている。ていねいな包装のように特別扱いをされたい人は、「こころに残るおもてなし」を指針としている高島屋に行って、相応のカネを払えばいい。

サービス売り場でないLCCやコンビニに過剰なサービスを求めるのはサービス強盗だと思うのだが、いかがだろうか。

 

『スカッとジャパン』高視聴率の理由

そうそう、『サービス強盗』で思い出したのだが、みなさんは『スカっとジャパン』という番組をご存知だろうか。その名のとおり、「スカっとする」視聴者体験談を紹介している番組だ。

そのなかには、「常軌を逸したサービスを求めるおかしな客をぎゃふんと言わせる」というエピソードがある。7月2日放送の回では、

・無料のミルクをやたらと使う&持ち帰ろうとする男性客が子どもに論破される

・コンビニのレジに並んでいる男性客が「いつまで待たせるんだ」と言い「ビールひとつだけだから先に会計してくれる?」と店員に詰め寄るも、ほかの客に論破される

といった体験談が紹介されていた。

前者は「サービスで置いているのならいくら使ってもいいだろう」という物理的サービス強盗で、後者は「俺を特別扱いしろ」という気遣いサービス強盗である。

このエピソードが「スカっとする」と紹介されるのは、同じような経験をし、サービス強盗に違和感をもっている人が多い裏付けにもなるだろう。