画/おおさわゆう

あなたの「痛みの伝え方」大丈夫…?医者はこんなことに困っている

覆面ドクターのないしょ話 第35回
フェーズ、レベル、ステージ。すべて、ものごとの段階を示す言葉であるが、使い方によってはとてもわかりにくいケースもある。特に感覚のように、人によって感じ方が違うものを表現しようとすると、受け取る側は混乱することが多い。次郎先生も診察室で頭の中が疑問符でいっぱいになってしまったようで……。

1級と2級、どっちが上か? 難しくないですか?

去る9月3日、経団連の中西宏明会長が、2021年春の新卒大学生から採用指針を取りやめる意向を示した。つまり就職解禁日がなくなり、今後、企業間の就職協定が廃止される可能性も出てきた。

 

就職活動では履歴書を、入試では願書を書くが、その際、資格欄に外国語検定の資格を記入することが多い。TOEICの点数を書くことも多いと聞くが、英語検定の場合、2級以上でなければ資格としては認められないらしい。ちなみに私は3級しか持っていない。ちと恥ずかしい……。

その外国語検定だが、英検では5級から始まり1級が最上級である。グローバリズムがさらに広がり、英語教育の重要性が今以上に叫ばれたら、英検1級のレベルも上げざるを得ないだろう。1級の上の級(特級?初段?)を作らなくてよいのか素朴な疑問を感じる。1級を目指すなら、制度が変わって試験レベルが上がる前に、なるべく早く獲ってしまった方が賢明だ。

一方、韓国語能力試験(TOPIK、※ハングル能力検定とは別の試験)では初級は1級から始まり、数字が増えるにつれて上級となり、最高位は6級である。つまり1級より6級の方が偉いということだ。

問題は、1級が一番上か一番下か。できれば統一してほしい!(photo by istock 
 

私は高校生のとき、柔道が必修課目だった。高校には武道場があり、柔道の授業は2つの時季にのみ行われた。クソ暑く汗まみれになる真夏と手足がかじかむ真冬である。まさに鍛錬であった。

体育の先生は全員黒帯を締めていた。つまり柔道初段以上の有段者だということだ。やはり黒帯はカッコいい。オリンピックに出場する日本の現役選手の段位は概ね5段前後である。私の高校の柔道部顧問も5段だった。全日本柔道連盟会長で元オリンピック金メダリストの山下泰裕氏(61歳)は現在8段である。

アントン・ヘーシンク(オランダ、1964年東京オリンピック無差別級金メダリスト)は64歳で10段を授与されている。柔道の父・嘉納治五郎氏は次のように述べている。

「……なお進ましむるに足る実力ある者は十一段、十二段と進ましむること際限なし(現代語訳:実力のある者は十一段、十二段への昇段に限界はない)」

つまり、柔道では、数字とともに段位が上がり、10段が事実上最高位だが、それ以上の昇段も理論上可能である。

昇段・昇級制度のある試験は段位・級位をどう設定すべきなのだろう? 英検も、1級を初級にした方が、協会や連盟側にとっては後々都合が良いのではないだろうか? 専門性が高まり、最高位に要求される実力のレベルが時代と共に上がった場合、さらに上の級を作ることが可能だからだ。

「従来の最高位は19級でしたが、来年からめでたく20級が新設されます。皆さん、ぜひふるってチャレンジしてください!」

という具合に。受験生にとっては全然めでたくない話だが……。

最近、人工知能についてのニュースを見聞きすることが多い。人工知能といえば、車の自動走行の実用化も目覚ましく、各企業の競争が激化している。自動走行運転を達成するためにはレベルが4段階ある

レベル4が最も高い性能で、「完全自動走行システム」である。これは「加速・操舵・制動を全てドライバー以外が行い、ドライバーが全く関与しない状態」と定義されている。日本を含め世界の企業がしのぎを削り開発を進めているのは、このレベル4である。

前置きが長くなった。これまで段・級・レベルを述べてきたが、医療の世界における段階を表す単位に関する話題も拾ってみたい。