子どもたちが30年熱狂!『ねるねるねるね』の化学反応、2つの秘密

「研究開発秘話」をクラシエフーズに訊く
リケラボ プロフィール

子どもが夢中になってくれる行為を、手づくりの過程にちりばめるようにしています。

たとえば、混ぜたり、絞り出したり、スポイトを使ってみたり。

「ずっと混ぜるだけ」など、同じ動きが続かないように、変化を持たせながら最後まで楽しさを維持してもらえるよう考えているのです。

ねるねるねるね
 

企業の研究と大学の研究の違い

──宮迫さんは、マーケティング室に異動される前は食品研究所にいらっしゃったとのことですが、そこではどんなお仕事をされていたのですか?

食品研究所では、キャンディチームで『ぷちっとくだもの』を担当し、新しい配合の検討などをしていました。

『ぷちっとくだもの』は、自分の手でぷちぷちちぎって食べることができるソフトキャンディです。子どもが簡単に手でちぎれるほどよい柔らかさを、微妙な配合で実現しています。

私が入社したのは商品が発売した直後のタイミング。そこで、配合をさらに工夫するべく研究をしていたんです。

──『ねるねるねるね』の配合と同じように、そちらでも何度も試作と試食を繰り返していたのですか?

そうです。でも、キャンディはひとつの配合を試すのに時間がかかります。配合を考えて、混ぜて、冷まして……と、形にしてやっと試食ができるので、一日に2〜3配合しか試すことができません。

そのため、研究所にいたころは、やみくもに試作せずに済むよう、より精度の高い仮説を立てられるよう心がけていました。

配合には、数字だけでは測れない、職人的な要素があります。研究所では少量の原材料で配合を試しますが、いざ工場のスケールでつくってみると、試作とはまったく違う仕上がりになってしまうことも多いのです。

このように、商品の研究開発では数値やデータでの仮説が立てにくく、学生時代の研究との違いを感じました。

──ほかにも、学生時代の研究と違いを感じた点などはありましたか?

いちばん違うポイントは、お客さまの存在です。

企業での研究は、最終的にお客さまに支持される商品をつくることが目的なので、常に顧客目線でイメージすることが大切なのです。

当社での菓子の開発も、まずは子どもたちにどうやって楽しんでもらうか仮説を立ててからスタートします。さらに、社内のほかの部署や、協力会社さん、そしてライバル企業さんなど、いろいろな相手を見ながらものをつくる必要もあります。

このような視点は、マーケティング室で仕事をするようになって、より意識するようになったことでもありますね。

 

“ものづくり”を幅広くとらえる

──マーケティング室ではどんなお仕事をされているのですか?

ざっくり言うと、中身の粉以外の部分をつくっているのがマーケティングです。粉をつくるのは研究所に任せながらも、企画の発案からプロモーションまで、幅広く“ものづくり”に関わっています。

以前は“ものづくり”といえば、研究開発部門の仕事だと思っていました。でも、『ねるねるねるね』でいうと、トレーやパッケージなども含めてひとつの商品ですし、それをお客さまにアピールして買ってもらうためには、プロモーションも重要になってきます。マーケティング室に来て、このようにものづくりのとらえ方が変わりました。

身近な食品ひとつとっても、食品そのものの開発以外に、香料や着色料などの原材料や、トレー、包材など、さまざまなメーカーが関わってつくられています。それに、パッケージデザインやCM制作なども、ものづくりのひとつです。

こんなふうに、視野を広げるといろいろな仕事が見えてきます。メーカーの研究開発職を目指すうえでも、実験するだけがものづくりというわけではない 、そして、商品そのものを開発するだけがものづくりというわけではない 、ということを理解しておくことが大切だと思います。

好きなもの、楽しいと思えるものの裏側にどんな世界が広がっているか見渡してみると、自分がどのようにものづくりに関われるのか、選択肢が増え、いろんな将来を想像できるようになると思いますよ。

(本記事は「リケラボ」掲載分を編集し転載したものです。オリジナル記事はこちら