イラスト:野波ツナ

「カサンドラ」から抜け出して、夫と妻の役割からも自由になれた

「カサンドラ症候群」自覚と回復の道⑨

「アスペルガー症候群」のパートナーを持つ人が抱える問題、「カサンドラ症候群」について、今、注目が集まっています。社会全体がよりインクルーシブな方向へシフトしようとしている中、カサンドラやアスペルガーを取り巻く状況にも様々な変化が。『旦那(アキラ)さんはアスペルガー、奥(ツナ)さんはカサンドラ』(株式会社コスミック出版)の著者、野波ツナさんと、カサンドラを支援する『アスペルガー・アラウンド』を主宰するSORAさんのお二人に話を伺います――。

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今後の社会は、伸びしろばかり

——アスペルガーとカサンドラ取り巻く社会の今後について、どうお感じになりますか?

野波 希望はあると思うんですよね。伸びしろばかりというかね? カサンドラさんは、みなさん本当に大切なことに気が付きはじめているなと思いますが、ただもう少し広いところ、社会がまだ追いついていないなとは思いますが。

SORA そうですね。確かに私もまだまだ職場で苦労することも多いです。が、ここ1、2年で急激に変わってきたなと感じています。

野波 倍々ゲーム式に知識が広がっていくんじゃないかって5年ぐらい前に講演で話したことがあるんですけど、まさしくそうですよね。

SORA 地道にですけどね。これまで何も知らなかった人が、少しわかるようになってきたってくらいですよ(笑)。

野波 でもそれって、実感として大きいじゃないですか!

SORA それでこの後きっと倍々で、増えてくのかもしれない……。それがやっぱり、さっき言った法制定だと思うんですよね。

 

——2015年が発達障害支援10年で盛り上がった年でした。

SORA 発達障害者支援法ができたのは2004年、それから、アスペルガーは内容を伴わずに名前だけが広まった時期もありました。でも今回の法制定では、ラベリングじゃなくてインクルーシブという考え方が浸透してきたように思います。

野波 教育の面ですごく進みましたよね。

SORA インクルーシブ教育という使われ方を見る機会が多いのですが、インクルーシブとは、「包み込むような/包括された」という意味です。アスペルガー・アラウンドでは、教育現場に限らず、社会的にインクルーシブであることを理念に掲げています。あらゆる人が孤立せず、排除されず、社会の構成員として包み、支え合う社会を目指しているのです。

根幹には、カサンドラもアスペルガーも障害のある人もない人も、男性も女性も、男性でも女性でもない人も、すべての方が包括される社会を目指しています。