地球のみなさん、こんにちは。毎度おなじみ、ブルーバックスのシンボルキャラクターです。今日も "サイエンス365days" のコーナーをお届けします。
"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。
1815年のフランスの物理学者オーギュスタン・ジャン・フレネル(Augustin Jean Fresnel、1788-1827年)が、この日、科学アカデミーに「光の回折について」と題する論文を提出しました。
当時は光は粒子であるという「粒子説」が主流でしたが、フレネルは光の回折・直進を波の運動によって説明し、光は波であるという「波動説」を主張しました。
粒子説と波動説は、最終的にはどちらも正解であることが量子論から明らかになるわけですが、20世紀に入ってアインシュタインが光量子仮説を提唱するまでの約1世紀の間は、フレネルの論文をきっかけとした波動説が主流だったそうです。
フレネルの光学理論は、複屈折現象などを上手く説明できることが明らかになり、広く受け入れられるようになりました。その結果、地球のような運動する物体の光行差についての研究が進展しています。
フレネルのこうした研究は、アメリカの物理学者アルバート・エイブラハム・マイケルソン(Albert Abraham Michelson、1852-1931年)とエドワード・ウィリアムズ・モーリー(Edward Williams Morley、1838-1923年)の光速度が不変であることの実験に基礎を与え、特殊相対性理論につながるものと、評価されています。
また、フレネルは、先日の記事のでお伝えしたようにフレネル・レンズで有名ですが(9月 6日 マゼラン隊が初の世界一周を達成(1522年))、その他にも光の干渉実験のためのプリズムなど、実用的な器具の考案者としても知られています。