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コミュ障をどうやって克服する?「発達障害者の婚活」のリアル

「話し方」から変える3つのポイント
吉濱 ツトム プロフィール

雑談力を磨く3つのポイント

発達障害を持っている人の中には、コミュニケーションに難があると自覚している人も多く、話し方教室に通ったり、会話術の本を読んで勉強していたりします。しかし、なにも会話の達人になる必要はありません。雑談すらできないのに、場を沸かせるような高度な話術を身に着けようとしても、うまくいかずに心が折れるだけです。また、婚活にそこまでのテクニックはいりません。

まずは、「取り残されないようにする」くらいを目標に、雑談力を磨いていきましょう。

1.内容がなくてもいい

「有意義なことを話さないといけない」というプレッシャーを手放しましょう。アスペルガーの人、目的のない会話が苦手で、他愛のない話をされると「だからなに?」と思うことが多いようです。それが転じて「意味のある発言をしなければならない」と勝手にプレッシャーを感じ、何も話せなくなってしまいます。

雑談に、意味は不要です。気の利いた返事ができなくても大丈夫。大切なのは、話を続けやすいような返事をすることです。

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「天気いいですね」と言われたとき、「そうですね」ではなかなか会話が続きませんが、「そういえば、このところ全然雨降りませんよね」と返せば「たしかにそうですね。前に雨降ったのっていつでしたっけ?」などと会話が続くでしょうし、「日差しが強いので、鼻の頭が日焼けでヒリヒリするんですよ」と返せば「男性はあまり使わないかもしれませんが、日焼け止めクリームを塗ってみたらいかがですか?」と会話が弾むでしょう。

ここまで話がふくらめば、その次の返事はずっと返しやすくなりますよね。

雑談はラリーを楽しむテニスのようなものです。ラリーテニスは、得点を競うわけではなく、ただ打ち合うということを楽しみます。雑談も同じです。ただ会話のやりとりをすることを楽しむ。そこに、特に意義や目的は必要ありません。

気の利いたセリフや爆笑を誘うような一言は、スマッシュのようなもの。「すごーい!」となるかもしれませんが、そこでラリーは途切れてしまいます。会話の高等テクニックは、合コンのような一本勝負には使えるでしょうが、婚活のようにじっくり信頼関係を築いていくことが大切な場面では、さほど役に立たないものなのです。

ラリーを続けるためには、相手が打ち返しやすいところにボールを返すことが重要です。話を続けやすくなるような返事を心掛けましょう。

 

2.オープナーを用意する

ラリーもなにも、そもそも会話自体がなかなか始まらず、重苦しい空気が漂ってしまうことがあります。初対面の人との会話というのは、最初の一言がなかなか難しいものです。発達障害者は特に初対面に対する苦手意識の強い人が多いので、事前の準備をしておきましょう。

会話のとっかかりになる言葉を、オープナーと言います。会話の扉を開く(オープン)ためのもの、という意味です。

昔から「木戸に立ち掛けし衣食住」という合言葉があります。これは、オープナーに適したキーワードの頭文字を並べたもの。

「キ」は気候、「ド」は道楽(趣味や娯楽、テレビ・映画・スポーツなど)、「ニ」はニュース、「タ」は旅、「チ」は知人、「カ」は家族、「ケ」は健康、「シ」は仕事、「衣」はファッション、「食」はグルメ、「住」は住まい。

これらはどれも、なごやかに話の弾みやすい話題ばかり。といっても、いきなり全部をオープナーとして使おうとするのはさすがに大変です。まずは気候やファッション、それが身に着いたら趣味と旅、といったように、できそうなところから少しずつオープナーを増やしていくといいでしょう。

「暑いですね」「寒いですね」ではちょっと愚痴っぽくなってしまうので、デートのときには「最近、涼しくなってきましたね」「いいお天気ですね」といったポジティブなオープナーをおすすめします。

天気の話だけではワンパターンになりがちです。オープナーに変化をもたせるためには、相手の服装を褒めるというのも効果的。デートの際、女性は特に服装に気を遣っているものです。「ワンピース、とてもお似合いですね」「秋の装いがステキですね」といった一言からデートがスタートすれば、場もなごみます。

男性のファッションの場合、褒めどころが難しいものですが、時計や財布といった小物を褒めるのも手です。こだわりのある男性の場合、自分が厳選した小物を褒めてもらうと、自分自身を褒めてもらったかのように嬉しく感じます。そこから小物選びのこだわりについて、話しが膨らむかもしれません。

少しずつオープナーを増やしていくことで、デートの途中で会話が途切れた際にも、スムーズに次の会話を切りだせるようになるでしょう。