家庭内ばかりか職場の人間関係発の「カサンドラ」が増加中

「カサンドラ症候群」自覚と回復の道⑥
野波 ツナ, SORA プロフィール

障害理解があるとスマートに対応できる

SORA: ちょっと話がずれますけど、私が聞いた話の中で一番すごいと思ったのはアスペルガーの息子さんがいる企業の中間管理職がが行った、同傾向のある新入社員対応です。コツは『スモールステップ』、発達障害の方は、失敗したら二度とやらなくなってしまう可能性が高いから、失敗しないように細かく細かく報告させて、成功へ行動を積み重ねていくことなんです。

しかしそうやって詰めていった結果、最終的にプライベートにまで踏み込まざるを得なくなってしまって、「朝起きたら連絡する」とか「薬を飲んだら連絡する」とか。そしたら今度は管理職が社員に関与しすぎているとストップがかかってしまったそうです。

 

――せっかくうまいこと行ってたのに!

SORA: 最初はもちろん新入社員との関係に苦労して、「もしかしてうちの子と同じかも」と気付いて対応しだしたらうまくいったっていう。彼は知識があったからカサンドラにはならずに済みましたが。ちなみに男性同士でもカサンドラにはなります。以前は男性職員同士でカサンドラになった男性が私の会にきたこともあるんですよ。

野波: 事前にどれだけ情報が入ってるかで変わってくるという良い例ですね。

*『カサンドラ症候群』はDSM-5(アメリカ精神医学学会が定める診断基準で国際的に広く用いられている)に記載されておらず、正式な病名ではありません。また『アスペルガー症候群』も『自閉症スペクトラム障害』という診断名に統合されていますが、現在のところ、日本の医療現場や社会では広く使われているので『旦那(アキラ)さんはアスペルガー』シリーズ及びこのインタビューではそのまま表記しています。

〈取材・構成/松本愛 次回に続く〉

SORA  アスペルガー・アラウンド代表。2001・2003年に長男と夫がアスペルガー症候群の診断を受ける。13年間の特別支援学校の勤務経験、自身のアダルトチルドレン克服の体験を活かし、2013年にカサンドラを支援する非営利団体を発足。共感の場「しゃべりば」の普及に努める。関わる立場から発達障害を理解する講座「カサンドラのためのASD勉強会」講師。「カサンドラ脱出プログラム」企画・運営。