「アスペルガー」の周りの人は全員「カサンドラ」になる可能性アリ

「カサンドラ症候群」自覚と回復の道⑤
野波 ツナ, SORA プロフィール

多様化が進む、カサンドラ

SORA 実際にパートナー(配偶者)以外との関係でカサンドラに悩んでいる方も増えています。アスペルガー・アラウンドが開催している『ASD&カサンドラ勉強会』では、参加者に「パートナーさん以外のことで来た人?」と尋ねると3割ぐらいの人が手を挙げます。

お母さん、お父さん、子ども、そして職場関係とか。あと、きょうだい。意外と拗れるケースが少なくなく、裁判になった事例も耳にします。

野波 それこそきょうだい間のカサンドラは誰にも理解してもらえないですよね、親からさえも理解してもらえないと思うんです。

SORA そうですね。昔から「障害者のきょうだいは大変」と言われていることですが、実際本当にそうだなと思います。

――発達障害の認知が広まるにつれ、カサンドラも多様化してるっていうことですよね。

野波ツナさん著『旦那(アキラ)さんはアスペルガー アスペルガーとカサンドラ』より
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野波 だから、厳密な意味でのカサンドラとは違うのかもしれないけれど、それこそアスペルガー・アラウンド=アスペルガーの周りを取り巻く問題として、カサンドラ・アラウンドのように新しい名前ができてもいいのかなっていう気がしますね。

SORA 私は、カサンドラはアスペルガーに関わる全ての方の問題だと思っているんですよ。それが重篤か、軽いかはそれぞれあると思いますが。

だから私のセミナーでは、アスペルガーさんを真ん中に、その周りの人は全部カサンドラになりうる可能性のある人ですと言います。アスペルガーは100人いたら100通りの障害といわれますが、カサンドラさんもそれに伴って多様な人がいます。

その掛け算をしたら、100通り掛ける100通り、それぞれのケースごとに非常に丁寧に関わっていかない限り、その一組一組のペアの関係の回復には至らない。

野波 そうなんですよ。だから相談を受けても、解決法を即答できないというのがありますよね。自分で探さないと、というか。

 

SORA アスペルガーの特性だけをわかっても駄目ですし、カサンドラ本人の自己理解も欠かせません。情報がたくさん必要です。

以前よりメンタル的に安定したカサンドラさんが増えてきた理由は、やはり前ほどよく分からない状態で追い込まれている人が減ってきているということ。大人の発達障害が広く取り上げられるようになって、うちのパートナーもその中の一人なんだということが分かってきているおかげですよね。

野波 情報が大事ですね。カサンドラやアスペルガーについて知ってるだけで心強いというか。何にも知らない人がやっぱり一番傷付いていますね。ちょっとでも自分で情報を得てる人の方が回復が早いです。