ワークマンのカジュアル店が「ユニクロ」「ZOZO」よりすごいワケ

安くて超高性能な商品にお客が殺到
竹内 謙礼 プロフィール

しかし、ブログに書かれた記事だけで、商品がそこまで売れるものなのか。

「うちの商品開発部には生半可な性能や価格の商品は絶対に作らせません。だからダントツの商品しか市場に出さないんです。そこが話題性のフックとなり、ブログの一個の記事だけで情報が一気に拡散されて売れていくんです」

考えてみればZOZOもファッションコーディネータアプリ『WEAR』の情報拡散によって売上を伸ばした経緯がある。もし、ワークマンによるネットの口コミ戦略が成功すれば、ネット上のアパレル販売の勢力図は大きく塗り変わってしまうかもしれない。

ワークマンとユニクロの店舗数はすでにほぼ互角

ユニクロとワークマンでは取り扱っている商品も違うし、ZOZOとはビジネスモデルそのものが違う。現実的に考えてこの2社にとってワークマンが脅威の存在になるということは考えにくい。ましてアパレル業界全体ととらえれば、ワークマンが取り扱っている商品の主体は作業着。ファッション性の高いアパレル品には影響がないと考えるのが一般的である。

しかし、ワークマンがさらにアウトドアウエアやスポーツウエアの性能やデザインを洗練させていけばユニクロの屋台骨であるフリースの市場も食いかねない。また、インフルエンサーやブロガーの囲い込みに成功すれば、ZOZOの有力なWEARのユーザーをも取り込まれてしまう可能性もゼロとは言い切れない。

「ワークマンのウエアはカッコいい」という流れに市場の潮目が変われば、それこそ形勢は一気に逆転する。ワークマンの店舗数は全国826店舗。ユニクロの831店舗とほぼ互角。ここにZOZOのネット販売力が身につけば、既存のアパレルメーカーが太刀打ちできるはずがない。

 

取材の最後に土屋常務が言った言葉が印象深い。

「うちの会社は掲げた目標をクリアできなかったことが一度もないんです。マーケットでダントツのシェアと売上があるから、2位以下の会社の動向を気にしなくていいんです。だから常に自分達の会社の目標達成だけに向かって突っ走れるし、どんなに時間がかかっても目標をクリアするために地道な努力することができるんです」

掲げた目標に向かってひたすら走り続けることができるしたたかな企業、ワークマン。いつの時代も伏兵によって市場はひっくり返るもの。ワークマンには作業服業界を飛び出して思う存分にあばれて欲しいところである。