ワークマンのカジュアル店が「ユニクロ」「ZOZO」よりすごいワケ

安くて超高性能な商品にお客が殺到
竹内 謙礼 プロフィール

ブロガー、インフルエンサーの意見をいかす商品開発

ただ、ここで思わぬ壁にぶつかってしまう。

「うちの会社は作業着ばかり作ってきたから、アウトドアウエアやスポーツウエアの専門家がいなかったんです。しかもリサーチするスタッフもいないから、市場で何が流行しているのかも知る術がありませんでした」

しかし、ここからがワークマンの凄いところ。自社の商品がどのようにお客様に使われているのかをネット検索して調べ始めた。すると、ワークマンの作業着をアウトドアやスポーツウエアとして使っている人たちのSNSやブログがあることを発見。

土屋常務はその人たちに声をかけてワークマンに来てもらい、作業着をどのようにリニューアルすれば専門メーカーの作った商品に勝てるのか徹底的にヒアリングを行ったのである。

ブロガーやインフルエンサーの意見を参考にして作ったウエアは次々にヒット商品としてブレイク。消費者目線の商品が売れるのは当たり前といえば当たり前。しかし、ワークマンのようにブロガーやインフルエンサーの声を商品開発にフィードバックできるほど、今の専門メーカーに柔軟性はない。それが異業種から参入するワークマンの強みと言える。

ブロガーに商品説明をするワークマンスタッフ

売上が「倍増」するほどの大ヒット!

さらに一般客向けの商品の相乗効果として、本職の作業着のほうも好調に売れ始める。

従来であれば作業現場では地味な作業着を着るのが常識。しかし、古いしきたりを貫き通していると若手スタッフが「格好がダサい」と仕事をすぐに辞めるようになってしまっていた。

そのような人材不足の背景もあり、近年の作業現場ではスタイリッシュな作業着が増えてきている。それがワークマンの一般客向けにデザインしたウエアの販売時期と重なり、若手の作業員が好んでワークマンのウエアを着るようになったのである。

作業着が一般客に売れ始めて、一般客向けに作った商品が作業現場の人たちに売れ始める――この相乗効果によってワークマンの一般客向けの商品は初年度売上30億円から60億円へと倍増。今年度は120億円の売上を見込むほどの勢いで急成長している。

 

ここまでの話を聞いて、「確かに凄いけどユニクロに勝てるほどなの?」と思われる人が多いかもしれない。先述したようにワークマンの売上はユニクロの20分の1。とてもではないが競合と呼ぶにはあまりにも差がありすぎる。

しかし、私が注目するのはワークマンの価格競争力という武器である。