保険加入と保険見直しで「絶対にやってはいけない3つのこと」の中身

該当する人は保険で「大損」する可能性
内藤 眞弓 プロフィール

なぜ人々は保険加入と保険見直しを間違えるのか

では、どうしてこのように「大金」を節約できるにもかかわらず、保険に入るときに人々は綿密に比較をしないのか。

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その理由はおそらくシンプルで、このように他社商品と比較するには、それぞれの保険の保障内容や最低保険金額などの契約条件を吟味しなくてはならないからだ。

その場合、否応なく、「ご契約のしおり」「約款」などの「支払要件」に目を通さざるを得ないのだが、契約書は小さい文字で専門的な用語が並ぶものが多く、読み通すのは至難の業。

保険金の支払い要件などを見ても、「別表○○に該当し、別表△△の状態が60日間継続したとき」などと書かれていて、正確に読み解くのが手ごわい。

当然、保険の営業職員から「見直し」を勧められた時も、きちんと比較・検討したうえでの決断などできない。

しかも、1件でも多く契約を獲得したい営業職員にとってみれば、自社の顧客の「見直し」のほうが契約成立に結びつきやすく効率が良いため、数年に一度営業職員が訪問してくるたびに、内容も分からずハンコを押していたという人もいるくらいだ。

私の知っているAさんは新入社員の頃に勧められるままに契約し、10年ちょっと前には数百万円あった解約返戻金が、その後2回の「保険の見直し」によって10数万円に減ってしまった。

 

担当者は「新しい保険を買うコストに充てたためで、その分保険料が安くなっている」と説明したそうだ。Aさんは独身で、特に保障の必要性は感じていなかったが、病気になったときが心配だった。いまさらだが、保険は解約して解約返戻金を貯蓄しておけば、ちょっとやそっとの病気には備えられただろうと思うと残念だ。

Aさんの「保険の見直し」は予定利率が高い契約から、掛け捨ての死亡保障と入院保障に転換するものだった。その際、貯まっていた解約返戻金を頭金として投入し、毎月支払う保険料が少なくてすむように設計されていたため、負担感はあまり感じていなかった。しかしその間、頭金に投入した解約返戻金はどんどん少なくなっていった。一方、保険会社としては逆ザヤの高予定利率契約から解放されたというわけだ。

本来の保険の見直しは、子の成長や貯蓄の増加、住宅購入などの節目で少しずつ保険から貯蓄にシフトしていくものである。勧められるまま、ずっと保険の「見直し」を続けていくと貯蓄が増えず、いつまでも保険に頼らなくてはならないというディレンマに陥ってしまうので気を付けて欲しい。