ブレグジッドは大正解 英国よ沈みゆくEUからいち早く脱出せよ!

移民拒否だけではないその経済的合理性
大原 浩 プロフィール

ユーロは金本位制の弱点を受け継いでいる

ロンドンのエコノミストたちが主張するように、財政・金融政策の統合をする前に、通貨だけ統合するのは、言語道断の愚策である。

それ以外にも、加盟国の通貨を統一し為替相場の変動による調整を放棄する手法は現代の金本位制であるといえる。金本位制は、各国の財政・金融政策を統合せずに「金」という(共通)通貨だけを導入したのだが、その点においてユーロも同じなのである。

ケインズはブレトンウッズ体制を構築するときに、デフレ・スパイラルを調整するため、固定制だが調整可能な為替システムを導入した。実は、現在深刻になっているユーロ圏でのデフレ・スパイラルは、ケインズが恐れていたのと同じものであり、国によっては若年層において50%近いという高失業率も為替調整ができないため改善されないのだ。

結果、為替調整が無いため、競争力を保つドイツの輸出が独り勝ちする。ドイツなどゲルマン系の中核国よりも周縁国でのコストと価格の上昇が早く、イタリア、ポルトガル、ギリシャなどの周縁国は競争上不利な立場に立ち、経済が弱体化した。

 

外国為替による調整は、国内におけるデフレや失業などの痛みを調整する有効な手段であるのに、ユーロの導入によってその道を絶たれたのである。ちなみに、日本や米国などの繁栄している国々は、自由な為替市場による恩恵を受けている。

EUがだめでもドイツの経済は好調だと主張する人々がいるが、それは誤りである。ドイツのトップバンクであるドイツ銀行の経営が危機に瀕し、何年も前から破綻のうわさが流れ続けているのがその象徴である。

ドイツの貿易黒字額が大きいとはいっても、その相手国はギリシャやポルトガルなどを含む貿易赤字や過剰な負債で破綻の危機がある国々が大部分だ。EUやユーロが存続する限り、ドイツが脱退でもしない限り結局ドイツはそれらの国々を助けなければならず、黒字は砂上の楼閣にしか過ぎないのだ。

つまり、EU内で経済がまともなのは、ごく少数の国々だけであり、ブレグジットが成功すれば、英国はスイスなどとともに「繁栄するEU非加盟国」になるはずである。