日本の「潜在投資家2000万人」を動かすための、ある試み

FOLIO・甲斐社長インタビュー

日本は投資教育が遅れている。日本人は投資より貯金を好む――。

よく言われてきたことではあるが、近い将来、それは大きく変わるかもしれない。

2018年1月、様々な業種からの参入が相次ぐフィンテック業界に新たな衝撃が走った。コミュニケーションアプリ「LINE」の資産運用事業への参入だ。

7300万アカウント(2017年12月時点)もの利用者を抱える「LINE」がパートナーとして選んだのは、「FOLIO」という企業。「企業ではなく“テーマ”で選ぶ」という新しいコンセプトの投資サービスを展開する、次世代型のオンライン証券会社である。

「FOLIO」を牽引する甲斐真一郎社長は「投資は生活の一部として溶け込む必要がある」と説く。しかし、投資を始めることで、私たちの生活がどう変わるのかが、イマイチ見えてこない。そもそも、彼が投資をすべきと力説するのはなぜなのだろうか?

甲斐氏が描くビジョンに迫る。

 

日本は「エリート」でも投資リテラシーが低い

「投資」という言葉自体を毛嫌いする人が、日本には多いように感じます。投資教育が十分ではないために、投資に対する知識や理解も少ないんです。高校の同窓会に出席したとき、それを肌で感じました。

私の母校はいわゆる進学校で、偏差値の高い難関大学へ進学し、医者や弁護士になる人も多い。そんな友人たちに、「投資のことはよく分からない」、「甲斐に聞けば儲かるんでしょ?」と言われたんです。

私は、証券会社に勤める両親の元で育ったので、もともと友人たちより金融業界との距離が近かったのかもしれません。株価が下がったとき、父の機嫌が悪くて話しかけられなかったことを幼心によく覚えているほどですから。とはいえ、「エリート」と世に言われる人たちでも、これほど投資に対してリテラシーが高くないのかと、正直驚きました。

なぜこのような状況になってしまっているのでしょう。それは、既存の投資サービスが、既に投資を行っている投資家を対象にしたものばかりで、初心者には難しすぎるからではないか。サービスを利用しようにも、専門用語ばかりが並びハードルが高い。

また、投資リテラシーがないままでは、運用益を出すことも難しい。9割ぐらいは損をしてしまい、結果的に投資から離れてしまうため、投資に対する興味付けも一向に進みません。


私はこのような状況を、ずっと以前から問題視していました。日本は今後、自分の老後は自分で支えなければいけない時代に突入します。このままでは、多くの日本人が自分で生計が立てられなくなり、路頭に迷うことすらありえる。私は本気でそう思っています。

このような状況を打開するには、日本を「金融立国化」させること。つまり、金融教育や金融業を振興、発展させなければなりません。

そのためには、「潜在投資家」を取り込む必要があると考えています。「既存投資家」向けのサービスを拡大しても、彼らにとっての利便性が高くなるだけで、世の中は何も変わりません。そうではなく、2000万人(※1)いると言われている「潜在投資家」がマーケットに入ってくれば、日本をガラリと変えるインパクトがある。FOLIOは、まだ投資が身近ではない人々に向き合い、彼らのはじめの一歩を「テーマ投資」で後押ししたいのです。