# 飲食店 # 丸亀製麺

丸亀製麺のピンチを救った、超高額「肉盛りうどん」の奇跡

安易に値下げしない「脱競争」戦略
小野 正誉 プロフィール

丸亀製麺が選んだ「脱競争」の道

丸亀製麺はそれ以上の自社競合を避けるために、2014年ごろから出店ペースを落としました。

既存店の売上が落ちた分を新規出店で補おうとするのは、何の解決策にもなりません。

既存店の売上を回復しないことには、新たなお店を出しても意味はない。そう考えて、我々は打開策を考えました。

普通ならメニューの価格を下げたりメニューを増やしたりして、新規客を増やす方法を考えるかもしれません。しかし、一度価格を下げたら上げるのは難しいですし、他店がそれに合わせたらさらに値下げをするしかなくなり、完全に競争に巻き込まれてしまいます。コストをかけると原価率も高くなり、利益を圧迫する可能性もでてきます。

そこで、丸亀製麺が選んだのは「脱競争」です。原価をしっかりかけ、高単価でかつ高付加価値のメニューを出して集客を図ることにしたのです。

元々、丸亀製麺のお客様はうどんを単品ではなく、天ぷらやおにぎりなどのサイドメニューと一緒に頼むので、客単価は520円程度でした。

これまでも季節ごとに投入するフェアメニューはありましたが、400円前後で提供していましたので、一品で客単価を上回るメニューを出すのは「あり得ない」ことです。

しかし、このインパクトのある肉盛りうどんを出して巻き返しを図りたい。

 

その想いが勝って、今までにないチャレンジに踏み切りました。つまり攻めにでたのです。 結果的には、味とボリュームで、お客様にご満足いただくことができ、競争しないで勝つことができました。

通常のメニューと変わらない価格にしていたら、インパクトのない貧弱な商品になり、売上も劇的に回復しなかったでしょう。今までならあり得ない、常識破りの発想をしたから成功したのです。

お店としても、売上が好調になると活気が出て、丸亀製麺らしさを取り戻せました。

それ以降も、フェアメニューはずっと高単価の設定にし、ボリュームとインパクトのある高付加価値商品を投入しています。「丸亀製麺にしては高い」と思われるお客様もいらっしゃるかもしれませんが、人気のあるフェアメニューは、5人に1人の方が注文されるほど好評をいただいています。

業界内での競争に勝つには、店舗数を増やしたり、全品値下げや値上げをしたりするのが一般的です。しかし、その方法では際限なく競争し続けないといけないので、いずれ自社も他社も疲弊してしまいます。それよりも、自分の会社の底力をつけるのが先決です。

景気や業界内の競争などに左右されない自分たちなりの勝ちパターンを見つけられれば、競争しないでも生き残っていけるのではないでしょうか。