赤字家計の支出を見ると、生命保険料の払い過ぎが目に付くことが非常に多いです。
生命保険は年々とても複雑になっていますが、冷静に考えれば、もしものためには「死亡保障」「医療保障」の大きく2つしかないはずです。
「新しい保険が出ました!」といっても、死亡保障と医療保障の変形版が出ているに過ぎません。それらを、追いかけ続けていたらキリがないので、割り切ってシンプルにしましょう。
生命保険料は、同じ保険会社で契約している人たちが死亡・入院した際のお金、保険会社や、保険を売る人達の儲けとなるものです。
一般的には死亡や入院(保険事故といいます)がなければ、払った金額よりも多く戻ってくることはありません。
そして、その確率は非常に低いです。仮に、入院があったとしても、払った金額以上に受け取るケースは稀です。
また、公的な保障もあるわけですから、生命保険には加入しなくても良いという声があるのも事実です。
ただし、さすがに加入しなくても良いかといえば、そうは思っていません。
私は、前職では、生命保険営業の現場に8年間勤務し、その後FP・社労士として15年ほど保険を一切販売することなく個人相談を受けています。
20年超に渡り、販売する側、しない側の両方の立場で生命保険を見ていますが、強い意志を持って加入しなかった人や、すべて解約した人が亡くなったときや重症で入院したときの後悔の様子は並大抵のものではありません。
家族・親族に責められ、陰口をいわれ、大変な状況にもかかわらず本人も大きな後悔をしている様子を見ると、「確率」が無意味に感じることがあります。
仮に99%の人にとって生命保険が不要だったとしても、不幸に見舞われた1%の人にとっては、もはや確率なんてまったく関係ないのです。
ですから、加入しなくてもいいとまでは思いません。
ただし、低い確率のものにお金をかけ過ぎることには大反対です。
そして、それなりの年齢になってくると、健康診断で悪い数値を見たり、知り合いが入院するなど、いろいろなきっかけで生命保険に入りたくなってくる方が多いのも事実です。
日本の生命保険の宣伝・広告のうまさもあるのかもしれませんね。
そして、かなりの年齢になると、亡くなることも怖くなくなるのか、「絶対に死ぬんだから、子供や孫のために入れる保険はないか」と言い出す方もいます。
FPに入らなくていいと言われたとか、本に書いてあったなどの理由で、強い意志を持って加入しなかった人も、結局加入しようとする姿を見てきました。
そんなことなら、最低限の保険に入っておいたら心穏やかに暮らすことができるのではないかと感じています。
ちなみに、最後まで強い意志を通せる人は、大手企業退職者で貯蓄の多い方や、資産家の家庭など、お金に余裕のある層です。