毎日酔うと5年早く死ぬ…?大型研究が暴いた「酒に適量なし」の現実

無念!「酒は百薬の長」ではなかった

アメリカ国立衛生研究所のAaron White氏は、この論文で提示されているいる「週に100グラム以下」という量はあくまで目安であるとし、「アルコールが健康に及ぼす影響は、体重や性別、投薬状況など幅広い要因に左右される。安全とされる飲酒量に関して、この数字以下であれば必ず安全というマジックナンバーは存在しない」と語っています。

日本人の場合は?

厚生労働省の「健康日本21」のウェブページでは「節度ある適度な飲酒」の量を、純アルコール換算で1日20グラムと定義。

しかし、ページ下部の参考文献に記載されている報告書や論文はすべて1999年以前のものとなっており、20年間にわたって情報が更新されていません。

もともとアジア人は欧米人に比べてアルコール耐性が低く、特に日本人は世界中で最もお酒に弱い民族の一つとされています。今年4月には、日本人が数千年をかけてアルコールに弱い人が増えるように進化してきたという研究結果も発表されました。

これらの事から、平均的な日本人にとっては、1日に350ml缶1本という飲酒量も「控えめ」であるとは言えないのかもしれません。

drunk我慢するしかないのか Photo by Dave Lastovskiy on Unsplash

相次ぐリスク報告

昨年末から今年にかけて、アルコールの健康への影響を調べた論文が相次いでトップジャーナルに掲載されています。

昨年6月には適量とされる飲酒でも脳の萎縮を加速させうることを30年間の追跡研究で示した論文がBMJ誌に、今年1月にはアルコールの分解によってできるアセトアルデヒドがDNAに不可逆的なダメージを残し、発がんリスクを上昇させることをマウスで初めて実証した論文がnature誌に掲載されています。

お酒の楽しみは、健康リスクがあるからと割り切って諦められるものではありません。

しかし、これまでの「少量なら健康に良い」という認識が必ずしも正しくないということは、頭の片隅に置いておいても良いかもしれません。

【参照元】
‘Moderate’ drinking guidelines are too loose, study says
Moderate alcohol consumption as risk factor for adverse brain outcomes and cognitive decline: longitudinal cohort study
Largest study of its kind finds alcohol use biggest risk factor for dementia
How alcohol damages DNA and increases cancer risk
全ゲノムシークエンス解析で日本人の適応進化を解明-アルコール・栄養代謝に関わる遺伝的変異が適応進化の対象-

文・くまむん
企業の経営部門でExcelバトルに勤しむサラリーマンライター。学生時代の専攻分野はSurface Science。好きなものはソシャゲとバーチャルYoutuberとクラシックピアノ(主にロマン派)。